怒られるレッスン | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


こどもミュージカルの練習が
どんどん進んでいます。

衣装を着た通しが始まり、
本番を意識し始め、
緊張してセリフが飛んだり、
テンション高くなって
賑やかくなったり、
その子その子でいろいろです。

お母さんたちも、
衣装の不備や小道具を
すぐに直してくれて、
スタッフも練習にやってきてくれます。

おとなしい子は、
セリフが抜けがちになり、
焦って台本を見返しています。

緊張しいな子は、
熱が出たりインフルエンザになったり、
おやすみもチラホラ。

ヤンチャな子は、
この時期に怒られる練習も始まります。

今までわりと自由で
楽しくてばかりでよかったけれど、
舞台に立つのは、
人に見てもらう責任があります。

ありのまま、楽しいままじゃなく、
そこから少し、
自分たちのやりたいこと、
やってきたことを、
整理して表現として
仕上げていくことが必要です。

舞台は危険も多いから、
話を聞く姿勢、
みんなが集中しているときは、
集中する練習も大事です。

本当は怒りたくなんかないから、
すごく胸が痛むけれど、
その子たちの安全を守るのも
私の仕事です。

「先生…こわい…」

年中さんの男の子が、
つぶやきました。

一緒にふざけていた一年男子が
私に
「アンタはここでしょっ」と
連れていかれたし、
自分も楽しんではしゃいだら、
怒られたから。

こういう時は、
逃げ場のない怒り方をします。

言い訳もさせません。

だって、舞台での不注意は、
大事故の元だからです。

一年男子の子は、
ビックリした顔で
泣きそうになりながらも、
グッとたえて、演技をやり終えました。

年中くんも、
お母さんのそばで、
なんとかセリフを言いました。

あの子達が今がんばった力は、
本番では大きな自信になり、
発揮されるでしょう。

そしたら、今の悔しさが
喜びに変わるでしょう。

楽しいだけじゃなく、
時には悔しい気持ちも乗り越えて、
本番に向かうから、
成長につながります。

なにもかも用意されているのではなく、
自分たちで作り上げるから、
大きな感動につながる。

今日、
出演を手伝ってくれるパパさんが、
「こどもになって、
自分もガッツリ、
とぶくじらをやりたいなぁ 」
と、言ってくれました。

そんな風に思ってもらえる場であるのは、
本番にやりきった気持ちになれる
ステージ作りをしているから。

こどもたちが
素晴らしいから。

今の不安や苛立ちや
ドキドキが本番への原動力。

みんな、
がんばれ!