本当にしたいこと | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。



とぶくじらのミュージカルの練習が、
日々、進んでいます。

今年は「不思議の国のアリス」。

ワガママなアリスが、
本当にしたいこと、
言いたいことを見つけるために、
たくさんの変わり者たちと出会い、
自分の価値観に気づく
成長の物語にしました。

ジャックの裁判で、
クイーンに食ってかかるアリスのセリフ。

「いいえ、だまらない。
本当に言いたいことを言うわ!」

こどもは、
自分の思いを言葉にするのに
時間がかかります。

考えて、
やってみて、
言葉を間違えたり、
伝え違えたり、
伝えられなかったり…

それは、その言葉や行動だけをみたら、
ワガママに見えたり、
考えが足りなく感じたりするでしょう。

でも、小さい頃、
そんな誤解を受け、
失敗ばかりで、
大人に理解されなかった私には、
こどもの本当に言いたいことは、
よく見ないとわからないことが、
わかります。

ふざけているんじゃなくて、
工夫している。

やるべきことをやらないんじゃなくて、
やるべきことから派生した
やりたいことに夢中になった。

動くために考えている。

がんばりたいから、
休憩して出番を待って、
座り込んだり寝転んだりしてた。

こどもにだって、
こどもの主張や思いがあります。

私はその感じた思いを、
まず、出すことをやめさせないことが、
その気持ちを伝えられるようになる
最大の方法だと思います。 

そして、出している思いを、
感じていく。

その感じたことで会話していく。

今日のミュージカルで、
バラ役の5歳の女の子。

白バラを、トランプ役が
赤く塗っている場面で、
すごい怖い顔をしてにらんでいます。

なんで不機嫌?

私は彼女をじっと見ていて、
ハッとしました。

彼女は、ふてくされていたんじゃなく、
赤く塗られるのが
嫌だという演技をしていたのです。

すごいなぁ!

そこまで考えてるなんて!

帰り際、
「ちょっとまって!先生、話がある」と、
彼女を呼び止めると、
ちょっとビクッとしていました。

「今日のあの睨む演技、
素晴らしかったね!」と言うと…
ニタ〜と笑う5歳さん。 

やっぱり、あれは演技だったか!

5歳の演技力、あなどるなかれ、でした。

ふざけすぎてる6年ウサギ役。

いい加減、怒ろうかと思いきや、
150人いる「とぶくじらっ子」の
誰も、私でさえも
覚えきれてない「裁判の歌」を
歌詞を見ず、完璧に歌っていました。

ふざけてるんじゃなく、
練習を心から楽しみ、
アドリブしまくってたのね。

確かに、アドリブは、
作品を理解してなきゃできない表現。

脚本を書いた私以上に、
作品を理解してくれてるのです。

こどもの力を、
もっともっと信じたい。

こどもの目で、
もっともっと世界をみたい。

こどもの目で世界を見たら、
世界はすごく鮮やかで、
いきいきしていて、
際限がなくて、
自由で、
豊かです。



今日、
「僕らは奇跡でできている」という
ドラマでは、
まさに
そんな思いがあふれている子の話に
なっていました。

我が子の声を聞こうとしないお母さん。

変わり者だと思われている大学の先生に、
理解されて、
自分の世界がどんどん広がる少年。

その先生と少年の間に育まれる友情。

大学の先生は、
少年を理解してあげているんじゃなく、
彼の世界から世界を見ている。

そして、必要な手助けをしている。

でも、周りは、
それは大人のふるまいじゃないと、
「ヤバイよ、アイツ」と
学生にまで言われています。

でも、2人の間には、
他の人には理解されなくても、
いきいきとした発見と、
喜びと、友情がある。

いいドラマだなぁと
思います。

こどもの目から見える世界を、
ドラマが、
しかも
高橋一生さんのような人気俳優さんが
演じて伝えてくれると、
固い大人も変わるかな?!

こどもの目で世界をみている。

私のしていることは、
ミュージカル指導ではなく、
コレだな。