小学校のこどものドラマ | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。

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先日、無事に本番を終えた
私が指導にかかわらせてもらった
小学校のこどもミュージカル。

たくさんのこどもの成長と
ドラマがありました。

変わり続けながら、
変わらずにいること。

そんな軌跡がたくさんあり、
日々に感動がありました。

今日はそんな
素晴らしい瞬間をご紹介しましょう。

今年はチェシャネコになった
小学3年の女の子。

もともとミュージカルに
取り組むのは好きで、
とりわけ楽しそうにしてくれていました。

それが今年は、
チェシャネコのキャラクターが
えらくピンときたようで、
練習中も楽しくて仕方ない様子で、
踊りもいつもみんなより
前に出てきちゃうくらい。

本番では、思いきって前でやったら?
と、声をかけたら、
そのことに意識がいき
本番ではその逆で、
キチンとみんなと列を揃えていました。

その彼女、本当直前の教室で、
「体を柔らかくしとかなきゃ」と、
なんともネコらしいことを言い、
柔軟体操を始めました。

そして、脚を振り上げた拍子に…
なんと自分の足が顔にあたりました!

あまりの気合いに
勢いがついたのですね。

あふれるやる気も、
ここまできたか!

彼女の積極的な演技は、
ネコ全体をリードしてくれていました。

やる気になっていても
一人で先走らず、全体を意識しながら
自分の役割と立ち位置を理解した彼女。

なかなか頼もしい高学年に
なっていくんだろうな。

クイーンをやった6年の女の子。

なかなか骨のある子だから、
わりと演技はうまかったけれど、
さらなるレベルアップを指導しました。

ヒステリックなキーキー声や
バカにする時に上から落とし込む声、
ドスをきかせて低い迫力のある声…
声の質を変えるという
難易度の高い指導です。

セリフを言えばいいだけじゃなく、
緩急をつけて、色をつけて幅を出すのは、
大人でも簡単にできることではありません。

なぜなら、それは会話の本質で、
会話の内容よりも、人は声の質で
会話を成り立たせています。

でも、それは隠し味で、
表面には出さないようにしているもの。

それをハッキリ出すには
カラを破り、真実を演じる覚悟が必要です。

練習中には
恥ずかしがっていた彼女でしたが、
本番、登場した顔つきには
しっかり覚悟がありました。

大迫力でクイーンを演じて、
声の質も演じ分けていました。

素晴らしい成長でした。

彼女はこの演技を通して、
言葉の奥にある声の質が
人を動かしていることを
体感したことでしょう。

本来、芯がしっかりした彼女は、
その中にある悪意を見抜き、
おかしいことには屈しない
強さを得ていくでしょう。

小さい頃からふんわり漂っていた
優しい男の子。

今回は低学年を引き連れた
オウムの大将になりました。

オウムだから、
三人が順にセリフを繰り返します。

その一声目はすごく大切。

後の二人に影響するからです。

大切なのは声の大きさよりも
タイミングです。

後を引っ張るタイミングを持った
切り込む声でやらなきゃいけません。

ボンヤリしてたらオウムになりません。

後の二人は、
基本の声は優しいけれど、
ハッキリとセリフが言える子だから、
出だしの彼がうまくいけば、
三人セットでうまくいきます。

初期の頃に、
こだわって注意をたくさんしました。

まだまだみんなは、
タイミングなんて
指導されていないくらい、
セリフも覚えていない頃に。

すると、私がいない間にも、
先生方や本人に
タイミングの良さの快感が
感じられたのでしょう。

次に指導にくると、
素晴らしいタイミングで
セリフが切り込んでくるではありませんか!

そして、彼の目が
キラリと光っています。

姿勢がシャンと伸びています。

いつもふんわりしていたら彼に、
シャキッとみんなの気配に
耳をすませる意識が生まれたのは
素晴らしい成長でした。

本番後にはまた、
ふんわりの彼に戻っていて、
シャキッとする時とふんわりする時と、
使い分けられる力がついたようです。

イモムシの一年生のやる気女子。

休み時間に他の子たちと、
ミュージカルを一から演じていました。

面白いのはその口ぶり。

私の指導にそっくりです。

「今のセリフ、いいね~
あっ、もう少し早く言わなきゃ!」
などなど。

私も最初は、
師匠の口ぶりをまねることから、
師匠の伝えようとしているものを
感じたのを思い出しました。

演技もうまいけれど、
全体を見るのも好きなんだね。

ステージやイベントなど、
演出の世界でも活躍できそう!

彼女の活躍する未来が
垣間見えた気がしました。

何度、注意を受けても
へこたれない子がいます。

本番では。ちゃんとやるんだから、と、
思っているのです。

だから、今、繰り返し言っても、
あまり変化はしません。

だって、本番ではちゃんとやるんだから。

と、心の声が聞こえてきます。

でも、私は今の練習で
直らないとわかっていながら、
練習で何度も注意をします。

なぜなら、
私に直されていることを
それだけ冷静に聞いているんだから、
ちゃんと頭にいれて、
本番ではいきいきやってくれるからです。

その思い通り、本番では、
そんなにできたの?!と、
いつもビックリさせられます。

今年もビックリさせられっぱなしでした。

ちょっぴりお調子者の男の子。

一年生の頃からいつも、セリフや動きが
ソワソワしていました。

それが今年は、
セリフがすこぶる多い役。

本当は3人くらいでやる役を
一人でやることになったから、
ものすごい数になったのです。

大丈夫か?
落ち着いて
これだけのセリフをしゃべれるか?

同じくセリフの多い相棒が
優しくてリーダーシップもあり、
かなり、一緒に練習してくれだんだね。

意味を分かって言ってくれるかな?
と、心配したけれど、
そんなレベルじゃなく、
バツグンのコンビネーションで、
掛け合いの面白さを見せてくれました。

客席の笑いもしっかりとってくれました。

 落ち着いた息のあった演技でした。

きっと、自信がついただろうな。

5年で転校してきた男の子。

こんなに本格的なミュージカルに、
しょうじき、タジタジでした。

体調もくずれて
大丈夫かな?と、心配しましたが、
本来、まじめな努力家なんですね。

本番では、彼の声が
トランプをひきしめていました。

がんばることの強さが
身についたかっこよさが
本番の顔にありました。

もともと演技がうまい
ドードーとしたドードー鳥さん。

他の動物たちをひきしめて
まさにドードーとしていました。

見るたびどんどん工夫していて、
自分たちのシーンは、
自分の演技でまとめていくという
気迫がありました。

男らしさと頼もしさがアップして、
みんなをひっぱるには、
時には後押しも大切なことを知ったのが、
彼の立ち位置からも分かりました。

出るところと引くところが、
感性として培われていました。

まだまだ、たくさんドラマがあって、
こどもの成長を
こんなそばで見られる喜びに
いつも胸が震えます。

来年もみんなに会えるかな?

会いたいな。