いよいよ明日は、
わたしが指導に行っている
山の上にある大阪の小学校の
『不思議の国のアリス』本番です。
指導に行っているとはいえ、
毎回は行けません。
今年度は本番前に
つめていくスケジュールだったので、
昨日と今日は特訓、特訓でした。
クライマックスで、
アリスたちがトランプに迫られ、
イモムシが助けに来る場面でのこと。
なにかピンとこず、
イモムシをチョウチョに
することに急遽、変更しました。
イモムシの中心は、6年の男の子。
イモムシ役になったけど、
彼のイメージと違っていて、
でも、一生懸命やってくれていた彼。
チョウチョにするのは、
場面的には必要だけれど、
彼の気持ち的にはしんどいかなぁ…
昨日の帰りに布を買いに走り、
6mのピンクの布を
衣装の背中につけて
今日の3.4時間目の授業で彼に見せると、
あきらかにテンションがさがっています。
一番の問題は?
彼にとっては、色でした。
青とか紫とか、
せめて、ピンクじゃなきゃ、
がんばれるんだけど。
明日が本番。
わかった。
じゃあ、放課後に買い替えるね。
えっ、じゃあ…
ピンクでもいいよ。
彼は優しい男の子です。
わざわざ買い直すなんて、
彼は申し訳ないのです。
ダメだよ。
ただでさえ、がんばって
自分のイメージじゃない役を、
低学年をまとめて
やってくれているんだから、
変えられるものは変えればいい。
だから、放課後はピンクでガマンして。
分かった。
彼の顔が明るくなりました。
彼の優しさに甘えて、
ピンクを押し切って
手間を省いて、
ムダにお金もかけないでいいなら、
私はラクでしょう。
でも、こどもが私の演出を理解し、
受け入れて取り組み、
明日の本番に向け動きを作り直す以上、
私だって最大の努力をしたい。
彼の優しさに、
私の空き時間だった5.6時間目に
買いに出ることにしました。
布屋さんまで40分くらいかけて
山道を下って向かいます。
道の途中で、
他の小学校に指導に行った時に、
貸していた青い布があることを
ふと思い出しました。
よし、それを取りに行こう!
世の中、うまくできてるなぁ
布を貸した小学校は、
送り返そうと準備して、
私宛てに手紙を用意してくれていたところ。
その小学校のこどもにも会えて、
布も買わずにすんで、
しかもイモムシの彼は喜び、
羽を動かすことになった3年生の2人も、
大きな役割と布に大喜びで、
作品はキレイに分かりやすくなり、
みんなが幸せになれました。
やりたくないことでも、
全体の中での自分の役割を理解し、
覚悟して取り組むことが大切な場面はある。
でも、だからこそ、
彼に覚悟してもらう以上、
彼の気持ちを理解し、
最後まで妥協せず、
みんながよくなるにはどうしたらいいのか、
常に考え続けると、
みんなが喜べる素晴らしい答えが
待っているんだな*\(^o^)/*
空き時間に走ってよかった。
イモムシくんは、
私が放課後までに布を揃えたことで、
一安心して覚悟が決まった
男らしい演技になっていました。
明日はきっと、
かっこいいチョウチョで
心から羽ばたいてくれるでしょう!