こどもが集団活動しているときに
中に入らないで外から見ているときを保証すること。
だって、見ているだけでみたいでも、
心が参加しているから。
ミュージカルなどの全身表現を指導しているとき、
中に入ってこないで、外から見ているこどもというのがいます。
壁側にくっついて、じっと見ているのです。
私はその子たちをけして無理して中に引きずり込むことはしません。
その外で見ているという在り方を、保証する為です。
大人はつい、一緒にやっていないと、
参加していない、と捉えてしまいます。
でも、大切なのは、心が参加していること。
私の師匠に教えられ、私もそれを保証しているうちに、
その意味を知りました。
以前、小学6年生に劇指導にいったときの話。
劇の中に出てくる
「おばあちゃんの体になる」という実習をしていました。
背中を丸めるのではなく、
気力が落ちてくるので、
尾骨を内に巻くようにして、骨盤の力を抜くと、
自然に背中は丸くなります。
気持ちは先に進みたいから、
あごが前に突き出されるため、声がしわがれます。
その練習をしていると、たちまちそこらじゅうで
小学生がおじいさんやお婆さんに見えてきます。
みんな、その変化が楽しくて、夢中になってやっていました。
それを壁側でみていたのが、ちょっとませた感じの女の子数名。
しらけた顔をして、みんなを見ています。
まあ、年頃だから、こういうのは嫌だろうなあと
私はムリにいれず、見守っていました。
すると、次に指導に行った時、
その子達が早く来て、私を待ち構えています。
そして、私を見ると開口一番、
「先生、お婆さんの練習したから見て!!」
みんなの前でやるのが恥ずかしくて出来なかっただけで、
興味を持って話を聞き、
家で練習していたのです。
物事に参加するとき、積極的に参加する速度は人それぞれです。
恥をかきたくない子は、家で練習してからやるという子は、
幼児から結構います。
大切なのは、その子の目がキラリと光っているかどうか。
そこに心の参加があるかが見えます。
入ってきていいんだよ、と
さりげなく空間に隙間を作り、声をかけていると、
ちゃんと時期を見て入ってきます。
それぞれの参加の仕方。待っていると入ってくるよ
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