冬の寒さや夏の暑さを乗り越える強さは、
春のあたたかさや、秋の実りの豊かさを知ってこそ生まれる。
今日、私はこどもたちがドッジボールをする姿を見ながら、
こどもの時の自分を思い出していました。
みなさんは、ドッジボールは得意でしたか?
私はとにかく人と争うことが苦手で、
こういった球技はまるでダメ。
いつも逃げ回っては、思いきり当てられ、
その相手の攻撃性に傷ついたものでした。
でも、大多数のこどもはドッジボールが大好きです。
私は、なんでこんな傷つけあう競技をみんなが好きなのか…
こどもながらに、悩んでいました。
それが今日、こどもを見ていて、少し分かってきました。
こどもたちは、差し迫る危険に直面し、
その危険にある者は立ち向かい、ある者は素早く逃げ、
それでもやられれば、社会の枠から一旦出され、
でも、そこでチャンスを掴み、
相手を当てたら、また、復活するという、社会の厳しさを、
全身で体験し、乗り越える喜びを得ているのです。
一年生の体の小さい子が、
当てられてビービー泣いていたのに、
二回戦では当てて飛び上がって喜んでいる。
なんとたくましい姿だったことか!
ボールを真正面から見据える強さを持てば、
それを受け止め、自分なりに投げることができる。
女の子だって負けていません。
冬の寒さや、夏の暑さを乗り越える強さは、
こうした社会生活で、しっかり養われているのですね!
…ただ、私は一言いいたい。
春のあたたかさや、秋の実りのすばらしさを知っていれば、
人と分かち合い、喜びを共有できる心が育ちます。
闘争心は本能ですが、気持ちの優しさは、環境で育てられていくものです。
そして、それを伝え合う表現力があれば、
チームはさらに強くなるでしょう!
当てられて泣く女の子に、「よくがんばったよ!」と声をかけた女の子。
その子のあたたかさに、私は胸があたたかくなりました。
もっともっと、文化的な心の育ちがあれば、
チームも強くなり、ゲームも楽しくなるのにな……。
仲間同士でボールを取り合う
男の子たちを見て思いました。