教師が保護者を訴える前に | こどもの心はミュージカル!

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こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。

先日の新聞で、保護者が教師に子どものことで何度も苦情を言ってきたことに対し、

その教師が不眠症などで、心的ストレスを受けたとして、その保護者を訴えたという記事が載っていました。


今日の朝には、ニュースでも取り上げられ、保護者側の声や、弁護士の証言なども報道され、

大きなニュースになっていることに、さらに驚きました。


保護者側の言い分、教師側の言い分、それぞれの思いがあるでしょう。

でも、そこに子どもの気持ちは考えられているのでしょうか?

このような教師側と保護者側のもめた状態が一年も続いているそうですが、

その間にも子どもは育ちます。


親が学校を憎み文句を連ねる姿、それに対し教師が自分の親を訴える姿をみて、その子は育つのです。

子ども時代の大事な時期に、この子が見ているのは、大人の憎しみ合いです。


学校側はいくら子どもに分け隔てなくと接しているといえども、過剰な抗議をする親を持つ子を、

「ああ、あの子があのお母さんの子よ」という、感情で見てしまうでしょう。

学校で、その子はさらに辛い思いをしていないでしょうか?

さらに、今回これだけマスコミに出てしまうと、世間からもその子はそういう目で見られるのです。

「ああ、あのニュースの子よ」


『不思議の国のアリス』や、『クマのプーさん』には、モデルとなった実在する子どもがいます。

名前も物語の中で公表されていて、その子は大きくなっても、世間が見る「アリス」から逃れられず、

「クリストファー・ロビン」から逃れられず、ずいぶん苦労します。

名作の主人公としてでも、この子たちは社会の目にさらされ、心労に悩まされます。


それが、この親と教師の対立という関係の狭間にいる子どもはどうでしょう。

保護者の子どもを守りたいという気持ちもわかりますが、その結果、返って子どもを傷つけてないでしょうか?

教師の自分が辛い気持ちは分かりますが、その子を思って訴える以外に道はなかったのでしょうか?


どちらも当人同士の気持ちが行き過ぎていて、もともと大事にしているはずの子どもの心が

飛んでしまっているようで、悲しくなります。

はたして、この子の心のケアは、誰がしてくれているのでしょう。


まずは、どちらもが冷静に、どうすることが子どもに一番よいのか、

しっかり考え、解決の道を探ってほしいと思えます。


そして、このお母さんが、学校に怒るのと同じくらい熱心に、

でも傷ついた子どもが癒され、元気を取り戻せるような穏やかな愛情を、

子どもにも向けてあげてるといいのですが…


最後にやはり、このような子どもに関わるデリケートなニュースを、あまり大きく取り上げすぎると、

社会が過敏に反応してしまうので、報道をもう少し自粛するのが、

本当の子どもの幸せにつながるのではないでしょうか。