こないだ、テレビドラマで『味いちもんめ』をしていました。
何年か前にブレイクしたドラマの、その後を描いたものです
イハシという若者(SMAPの中居君が演じています)が、一人前の板前になっていくのが前ドラマの内容。
今回は、とある料亭で困難にぶち当たった時、イハシが板前としてどう生き、どう立ち回るかを描いていました。
その中で、イハシを支えるのは仲間の存在と、自分を育ててくれた板長、つまり≪師匠≫のです。
イハシがここ一番の料理を作らねばならない時、手が震えてしまうのですが、
師匠は彼に「俺のところでしてきた、修業の日々を信じろ」と言います
イハシは自信に満ちて、落ち着いて料理に取り組むことができます。
そして、人の心を動かしていくのです
あなたに人生の師となる人はいますか?
私は幸いにして、素晴らしい師匠に出会えました
そして、そのそばで長く、学ぶことができました。
師匠がいるというのは、心強いことです。
自分の目指すべき方向をハッキリと照らしてくれます。
師匠という存在は、時に目指すべき目的であり、時に道を指し示す光であり、迷いを払う風となります
昨日、私の師匠(ボディートーク協会 会長増田明氏)から、『名人伝』(著 中島敦)の朗読を習ってきました。
これも、紀昌という男が、飛衛という師匠に弟子入りし、弓を習うのですが…
こちらは事情が少し異なります。
師匠の技を超えるには、師匠を倒すしかないと紀昌は、師匠を弓で射ろうとするのです。
両社、互角の戦いとなり、とうとう決着がつかず、互いに相手をたたえ、抱き合います。
しかし、弟子の能力を脅威と感じた師匠は、さらに優れた師匠を、紀昌に教えます。
ここで紀昌は弓の奥儀を極め、本当に優れた弓使いは弓の存在も忘れるほどである…となって終わります。
悟りを開くというわけですね
中学時代に、歴史の先生が
「歴史は繰り返す。歴史を学ぶことで、人の生き方が見えてくる。
そして、今、現代に生きる人の次の行動が見えてくる。
だから、歴史を学ぶことが素晴らしい」と、おっしゃっていました。
そのころは、その言葉には感動したけれど、歴史を好きにはなれませんでした。
でも、今、私は師匠の生きてきた歴史を学び、それを一つの指針に、
いつか、その次の世代へと伝えていけたらと思っています
生きることは、歴史を刻むことでもあるのです。
私が生きていることも、あなたが生きていることも。