本日は各論の第2回:子供の成長段階についてお話していきます。
• 子供の成長段階
私たちの身長は、常に一定のスピードで伸びるわけではありません。
次の3つのパターンで成長しているのです。
1)乳児期(出生時~1歳未満)
生まれたばかりの赤ちゃんの身長は約50cmです。4歳ころに生まれたときの身長の2倍(約100cm)になります。この時期の成長には、栄養の摂取が重要な働きをしています。
2)幼児期(1歳~小学校就学まで)
4歳以降は1年で約6cmずつ身長が伸びます。この時期頃から身長の増加に成長ホルモンが大きく関わっています。
3)思春期
早ければ男児が9歳、女児が7歳7ヶ月頃から、遅くとも男性が13歳、女性が11歳11ヶ月頃に始まります。これは第二次性徴を反映します。
思春期の年齢になると、成長する速度が急激に速くなります。これを思春期の成長スパートといいます。速度がピークに達する平均の年齢は、男子が13歳、女子が11歳です。ピークを過ぎると、速度はゆるやかになり、やがて身長の伸びが止まります。この時期は「性ホルモン」が重要な働きをしています。
• 成人身長に与える要素
子どもが成長して、もうそれ以上伸びなくなった時点での身長を成人身長といいます。子どもの成人身長には、小学校入学頃の身長、両親の身長の平均、骨年齢、思春期の時期などが影響することが知られています。
・思春期が成人身長に及ぼす影響
思春期以前の身長が同じであれば、思春期のタイミングが遅いほうが成人身長は高くなり、思春期が早いほど成人身長は低くなる傾向があります。
・骨年齢
骨年齢とは、左手のレントゲン写真を用いて骨の成熟度を評価し、骨の年齢が何歳相当であるのかを年齢であらわしたものです。このレントゲンはあくまでも骨年齢の評価で、身長が伸びるかどうかは、足関節から股関節までの骨(脛骨・大腿骨)や背骨(脊椎)の状態に依存します。

・成長の停止(骨の成熟)
思春期になると「性ホルモン」が男子は精巣から、女子は卵巣から分泌されます。「性ホルモン」はおもに二次性徴を促し、同時に骨を成熟(伸びを停止)させる働きをします。骨端線は狭くなっていきます。最終的には隙間がなくなり身長が止まります。これ以降は手術以外の如何なる方法も身長は伸びません。
本日は以上です
次回は成長曲線についてお話します