ナショナルけもペディア<ナショけも> -4ページ目

ナショナルけもペディア<ナショけも>

アラフェネ動物記へようこそ!
こちらでは、明日動物園・水族館で使える
動物基礎知識を主に載せています。
主に、哺乳類、鳥類、爬虫類が中心に
記事を書いていますが、
飼育方法などは記載いたしません。
よろしくお願いいたします。

 

 

改めまして、けものフレンズ5.5周年おめでとうございます!

 

 本作品<けものフレンズ>がこれからも末永く続き、多くの動物たちが認知されていくよう、心からお祈り申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは、アラフェネです。

 

今回は、<動物のちから>の記事になります。

 

 

 

以前放送された、<『けものフレンズ3』 わくわくどきどき探検レポート #18(5.5周年記念)>のコーナーの一つ、

<動物のちから>にて、<アマミノクロウサギ>、<リュウキュウイノシシ>、<ハブ>紹介されました。

 

今回は、3種の動物の簡単な解説と、本放送で出題された、<動物クイズ>詳しく解説していきたいと思います。

 

 

前回の放送<『けものフレンズ3』 わくわくどきどき探検レポート #17(5周年記念)>の<動物のちから>

は以下の記事をご購読頂ければと思います。

 

 

 

 

  アマミノクロウサギの本来の天敵はなんでしょうか?

 

 

 

〇アマミノクロウサギ

 

<アマミノクロウサギ>は<哺乳綱ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属>に分類される動物で、主に日本の南西諸島に位置する<奄美大島>、<徳之島>のみに生息する、日本固有種の動物です。

 

名前の通り、全身が黒い被毛で覆われ、耳が小さく、後ろ脚が小さいことから、一般的なノウサギに比べ、特徴がやや異なります。

 陸続きの時代に生息していたとされる本種の祖先と特徴が似ていることから、<原始的なウサギ>と呼ばれています。

 

夜行性で10m程の繁殖用の巣穴をほり、1日~2日おきの巣穴を訪れ、授乳し、離れる際は、天敵から守る為、穴をふさぐという特徴的な繁殖習性があります。

 

生息地の破壊、捕食、食用などで、絶滅が危惧されており、以前の保護評価は<絶滅危惧IA類【CR】>でしたが、現在は国を含め各機関の保護活動により、<絶滅危惧IB類【EN】>に引き下げられており、現在は回復傾向にあります。

 

 

 

 

設問の回答ですが、③ハブが正解になります。

 

<アマミノクロウサギ>本来の天敵は<ホンハブ>、<ヒメハブ>などですが、後に人為的に放された

<野犬>、<野猫>、<マングース>が持ち込まれ捕食されたことにより、個体数が激減しています。

文中のマングースは恐らく、<フイリマングース>の事だと思います。

 

フイリマングース

 

 <フイリマングース>は<哺乳綱食肉目カニクイマングース科>に分類される動物で、元々中東、中国南部、東南アジアに分布する動物です。

元々、ハブの駆除を目的として、30頭ほど島に放されましたが、繁殖力高く、2000年代にはおおよそ1万頭にも個体数が増えていたことがわかりました。 

 

本種を加え、同じ生息地を持つ在来種を多く捕食し、その島における生態系を撹乱する危険性が高いことから、

<特定外来生物>に指定されています。

 

環境省と他駆除団体の尽力のおかげもあり、<フイリマングース>が確認されなくなり、令和6年9月3日に環境省の<フイリマングース防除事業検討会>において、科学的根拠に基づき、<根絶宣言>が出されています。

 

しかし、全体的な絶滅要因の件数で見てみると、交通事故による死亡件数のほうが大きな割合を占めている為、依然として油断できない状況です。

 

  リュウキュウイノシシのように島のようなところで封鎖された環境で進化すると、ある種の動物が大きくなったり逆に小さくなったりする種類が現れることを何ていうでしょうか?

 

 

 

 

〇リュウキュウイノシシ

 

 

リュウキュウイノシシは<哺乳綱クジラ偶蹄目イノシシ科イノシシ属イノシシ亜種>に分類され、奄美群島(奄美大島、徳之島など)、沖縄諸島(沖縄本島)、八重山列島(石垣島、西表島)に生息している、国内のみ分布するイノシシの固有亜種の動物です。

 日本には本種の他に同じ固有亜種である<二ホンイノシシ>本州、四国、九州に生息しています。

 

その島で生き抜くためにベルクマンの法則、また島嶼化による影響で小型化したのではないかと考えられており、大きさが一般的な<イノシシ>と比べ、一回り小さいです。

 

 <ベルクマンの法則>とは、北の寒冷な地域へ行くほど、大型化し、南の温暖な地域へ行くほど体が小型化する法則の事で、主に熱の放散のしやすさ、気温の影響の受けやすさに関連していると考えられています。

 

 

雑食性で小動物、野菜、キノコ類などほとんどの物を食べることができますが、近年、農作物の被害や八重山列島でウミガメが散乱した卵の食害が問題になっています。

 また、イノシシと家畜のブタとの交雑が可能な為、遺伝子の攪乱などが懸念されています。

 

画像の<けものフレンズ図鑑>では、IUCN<国際自然保護連合>の保護評価の欄に<No.Data>ありますが、評価は<軽度懸念【LC】>となっています。

 

 食用による乱獲により数が減少しており、沖縄版では<絶滅危惧Ⅱ類【VU】>、環境省では<絶滅の恐れのある地域個体群【LP】>にリストアップされています。

 

 

 

 

 

 

この問題の回答ですが、正解は①島嶼化(とうしょか)です。

 

<島嶼化現象>とも呼ばれるもので、基本的に孤島などでは生物の流出入があまりない為、天敵が少なく生存競争が激化しやすい傾向があります。

その為、体の大きさを次第に変えることによって、様々なメリットがあるとされています。

 

例えば、大型動物では体を小さくすることによって、代謝を減らし、必要エネルギー量を減らすことで、短期間の性成熟が可能となっていたり、小型動物は、捕食者があまりいない為、隠れる必要が無く、大型化する傾向があります。

 

このような進化法則を生物学的には<フォスターの法則>と名付けられています。

 

マンモス

 

有名な例でいうと、絶滅種である<マンモス>は大陸や島嶼部に生息していた記録があり、大陸に生息していたマンモスと島嶼部にいたマンモスと比べると、島嶼部にいたマンモスのほうが小型であると言われています。

 ガラパゴス諸島の<ガラパゴスゾウガメ>や<ガラパゴスイグアナ>、コモド島の<コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)>も同じような例であると考えられています。

 

<リュウキュウイノシシ>や前項の<アマミノクロウサギ>も、できる限り体と感覚器を小さくすることで、その環境下で有利になったと推測できます。

 

 

  ハブは特殊な護身術を使い身を守ります。それは一体何なんでしょうか?

 

 

〇ハブ

 

ハブは<爬虫綱クサリヘビ科ハブ属>に分類され、全長120∼220㎝、最大242mにもなり、日本固有種では最大の毒蛇といわれています。

 

 本州、四国、九州、奄美群島、沖縄諸島などの日本の南西諸島を中心に森林、草原、水辺、樹上の陸上のあらゆる個所に生息しています。

ハブの分布はやや特殊で、生息している島(トカラ列島、奄美諸島、沖縄諸島)と生息しない島(宮古諸島、伊是名島)と、はっきり分かれているのが特徴的です。

 

 ハブは各島の生息地にてハブとその近縁種が生息しており、生息している島によって、全長や体重、模様が異なります。

主に夜行性に活動し、主に哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、またその死体を捕食することがあります。

 

特有の器官である獲物の熱を感知する、ピット器官毒腺を含んだ牙を併せ持っています。

 また、身体能力が高く、瞬発力がある為、3m程離れていても、飛びかかることができます。

 

 毒性は神経毒ですが、毒を持つ種と比べて毒性は弱いと言われています。

 

 

この問題ですが、正解は②になります。

 

こちらの正答ですが、さすがは動物の専門家というだけあって、正直私も存じ上げなかった部分です。

 

私たち<ヒト>を含んだ、多くの動物は、外敵から身を守るために、身を危険を感じると、防衛本能が本能的に働き、逃走、攻撃を行うことが良く知られています。

 

ヘビの多くは気性が荒い種が多いが上に、防衛本能として、攻撃的な手段を取ることが多く、

ボア科の種では相手を締め付けたり、コブラ科の種は強力な毒で噛みついたり、毒を飛ばしたりする行動などです。

 

正答の自身の皮膚を脱ぎ捨てて逃走するということですが、周期的に起こる<脱皮>とはまた異なります。

 <脱皮>とは、寄生虫を排除したり、体の成長を促したりする生理現象で、周期的に角質が押し出され、白い幕のようなものが体から浮き出て、それを物体に自らこすり付けながら、剥がしていきます。

 

自身の体をおとりにして、逃走するこの行動ですが、似たような行動で他に、同じ爬虫類である小型のトカゲ類は、身の危険が迫ると、<自切>を行い、尻尾を自ら切断し、相手の気をそらしながら逃走する行動が有名です。

また、一部の昆虫、節足動物、軟体動物なども自切と呼ばれる行動を行います。

 

 

 

  リンク

 

〇アラフェネ動物記

 

 



〇アラフェネ動物記<ショートコラム>

 

 



〇地球のおうち

 

 



〇地球のあしあと

 

 



〇けもの図鑑

 

 






○<X>アラフェネさん
https://x.com/hiroichgo123