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ナショナルけもペディア<ナショけも>

アラフェネ動物記へようこそ!
こちらでは、明日動物園・水族館で使える
動物基礎知識を主に載せています。
主に、哺乳類、鳥類、爬虫類が中心に
記事を書いていますが、
飼育方法などは記載いたしません。
よろしくお願いいたします。

 

フレンズでは・・・ 

過去の作品では未登場で、<けものフレンズ3>のイベントの一つ、2025年3月に開催された<体力測定(3月)>で初めてプレイアブルキャラクターとして登場しました。

  

夜にかくれんぼをするのがとても好きで、体力測定では、<イエイヌ(雑種)>と<イエウサギ>と一緒に隠れて遊んでいる姿が文中で描かれています。

 

 

  基本情報

 

〇和名

アマミノクロウサギ

 

〇英名

Amami rabbit

 

〇学名

Pentalagus fumessi

 

〇分類

哺乳綱ウサギ目ウサギ科アマミノクロウサギ属

 

〇生息地

南西諸島(奄美大島、徳之島)

 

〇体長・尾長

43~51㎝・1.1~3.5㎝

 

〇耳長・後足長

4.1∼4.5㎝・8.5∼9.2㎝

 

〇体重

2∼3kg

 

〇生息状況

絶滅危惧IB類【EN】

特別天然記念物

国内希少野生動植物種

 

 

 

 

  原始的なウサギ

哺乳綱ウサギ目(兎形目【とけいもく】)ウサギ科に分類され、アマミノクロウサギ属に1種のみ属している動物です。

 

主に日本の南西諸島の<奄美大島>、<徳之島>のみに生息する日本固有種で、奄美大島ではおおよそ1万匹~3万4000匹、徳之島では1500匹~4700匹と、名前でもわかるように奄美大島での生息数が圧倒的に多いです。

 

 

 

種名の通り、全身は長く黒く、お腹側は灰褐色の毛皮で覆われており、内側に短い毛が密集しています。

体長・尾長が43~51㎝・1.1~3.5㎝、体重が2∼3kgほどで、体格的には<アナウサギ>と、あまり大差ありませんが、耳の長さが4.1∼4.5㎝、後ろ足の長さが8.5∼9.2㎝と、他の種と比べて短いのが最大の特徴です。

 その為、ノウサギのように跳ねて移動をすることはあまりしません。

 

したがって、現在のウサギ類と<アマミノクロウサギ>の祖先の特徴が一致している部分が多いことから、<原始的なウサギ>と呼ばれています。

 

  巣穴を塞ぎ、赤ちゃんを守る

 

夜行性で主に草、木、樹皮、果実などを食べる完全草食性です。

 アマミノクロウサギの繁殖の特徴として、住むための巣穴とは別に、直径10∼20㎝、長さ1m~2mほどの繁殖するための巣穴を掘る習性があります。

 

1匹の赤ちゃんを産み、1日か2日おきで、授乳する時のみ巣穴に近づき、出た後はハブなどの天敵に襲われないよう、穴を塞ぎ見つからないようにします。

 赤ちゃんは約2か月で巣穴から出て独り立ちをします。

繁殖周期ですが、1年を通して、赤ちゃんの糞便が確認されていることから、周年繁殖性と思われます。

 

 

  特別天然記念物

 

現在、<アマミノクロウサギ>は絶滅危惧種に指定されており、保護評価は<絶滅危惧IB類【EN】>、種の保存法に基づき、<国内希少野生動植物種>に指定されています。

 

主な要因としては森林伐採、植林、道路建設開発、河川の改修工事による生息地の破壊、交通事故、動物種による捕食(野犬、野猫、フイリマングース)です。

 その為、以前の保護評価は<絶滅危惧IA類【CR】>となっていましたが、現在は環境省の保護増殖事業の推進、標識の設置、啓発活動、域内外保全により、保護評価が<絶滅危惧IB類【EN】>に引き上げられ、個体数が回復傾向にあります。

 

 

 

  ついに根絶されたマングース

フイリマングース

 

奄美大島の生態系を撹乱する<フイリマングース>ですが、令和6年9月3日に環境省の<フイリマングース防除事業検討会>において、科学的根拠に基づき、<根絶宣言>が出されました。

 

 

 <フイリマングース>は<哺乳綱食肉目カニクイマングース科>に分類される動物で、元々中東、中国南部、東南アジアに分布する動物です。

元々、ハブの駆除を目的として、30頭ほど島に放されましたが、繁殖力高く、2000年代にはおおよそ1万頭にも個体数が増えていたことがわかりました。 

 

本旨の<アマミノクロウサギ>を含め、同じ生息地を持つ在来種を多く捕食し、その島における生態系を撹乱する危険性が高いことから、環境省は<特定外来生物>に指定しました。

 

環境省は2005年から<奄美マングースバスターズ>と呼ばれるマングース捕獲チームを結成し、罠や犬などを用いて捕獲を行っていました。

 最後の捕獲から6年4か月ほど<フイリマングース>が確認されなかったことから、環境省はついに<根絶宣言>出され、実質的な奄美大島における根絶となりました。

 

この根絶ですが、1万匹ほど放された種を駆除するのは、世界的には例が無いそうです。

 

しかし、奄美大島は多くの人が生活をしている為、交通事故による死亡も無視できないところでもあります。

 また、回復による個体数増加により、<タンカン>などの農作物被害も確認されている為、いかに絶滅種と共生していくかが課題となっていくと思います。

 

  リンク

〇出典動画

 

 

 

〇アラフェネ動物記

 


〇アラフェネ動物記<ショートコラム>

 



〇地球のおうち

 



〇地球のあしあと

 



〇けもの図鑑

 






○<X>アラフェネさん
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