基本情報
〇和名
スプリングボック
〇英名
Springbok
〇学名
Antidorcas marsupialis
〇分類
哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科スプリングボック属
〇生息地
アフリカ大陸南部(アンゴラ、ボツワナ、ナミビア、南アフリカ)
〇保護評価
LC【軽度懸念】
〇体長・体重
体長:1.2~1.5㎝、尾長20∼32㎝
体重:25∼45kg(オス)20∼30kg(メス)
フレンズでは・・・
過去作では<NEXON版けものフレンズ>ですでに登場しているフレンズで、<けものフレンズぱびりおん>でキャラデザが刷新され再登場しました。
<けものフレンズ3>では、メインストーリーS3・5章で初登場し、待望のプレイアブルでの実装となりました。
気が強く、お姉さん気質で、ジャンプが得意なフレンズや鳥フレンズに対しては、強い競争心が芽生えるらしく、負けず嫌いな一面があります。
特に<トムソンガゼル>に対しては、なぜか、とりわけ対抗心が強い様子が見られます。
ガゼルに似てはいるが・・・
ジェレヌク
スプリングボックの<スプリング>バネのように弾み、ジャンプすることから名付けられ、和名も英名も共通して同じ種名が付けられました。
哺乳綱クジラ偶蹄目ウシ科スプリングボック属に分類される草食動物で、スプリングボック属は本種のみ構成する1属1種の動物です。
ガゼル属の動物によく似ていますが、学名の<Antidorcas>の意味からガゼル属には含まれないとされており、分子系統によると、同じウシ科の<ジェレヌク>に近縁であることがされています。
基本的に分布域はアフリカ大陸南部が中心ですが、北部や南部の個体は、毛色や角などの形状がやや異なることがあり、<亜種>として分類してもよいのではないかが示唆されています。
随一のジャンプ力を誇るが・・・
スプリングボックの最大の能力として、高さ3m以上にもなる跳躍力を生かした走行能力にあります。
身に危険が迫るなどで興奮すると、毛を逆立て走りながら<ストッティング(ジャンプ)>を行います。
最高速度は約88kmと言われており、一般道を走っている自動車は容易に追い抜くことができます。
この跳躍には逃げる以外にも様々な役割があるとされていますが、跳躍力で距離を稼いだり、警戒を促したりするなどがあるとされています。
しかし、このジャンプですが、スタミナの消費が大きい為、疲れやすいデメリットがあるようです。
スプリングボックは天敵が多く、チーター、ライオン、ヒョウ、ブチハイエナ、リカオン、セグロジャッカル、コシジロイヌワシなど、成獣から幼獣まで獲物の対象になります。
保護評価では軽度懸念【LC】とされていますが、乱獲により減少傾向にあります。
見た目がまぎらわしい羚羊類
主に頭から腰に掛けて赤褐色、頭とお尻は白色の毛で覆われていて、頭には2本の先がやや湾曲した黒角が生えています。
また目のあたりに茶色~黒色のラインがあるのが特徴的です。
角は他の偶蹄類と同じく、メスをめぐる戦いに使うのが主な役割です。
頭、腹部、お尻にかけて白い毛が目立ちますが、強い太陽光の熱を吸収する役割や、走行後に大量に発生した体内の熱を外部に逃がしやすいよう毛皮が薄くできています。
つまり、羚羊の中でも本種は、とりわけ暑さや乾燥に強い種です。
アフリカに生息する、ウシ科の動物ですが、同じような環境下で生息している為、ガゼル類の動物と同じような見た目をしています。
特に有名なアフリカのウシ科動物ではインパラ、トムソンガゼル、両者とも赤褐色と白色の毛皮をしており、間違いやすいです。
見分けるポイントとしては、オスにもメスにも角があるかどうか、顔辺りの毛色、尻尾の毛色で容易に見分けることができます。
下に種ごとの特徴を簡単にまとめました。
〇インパラ
上図はオス、下図はメス
・顔辺りは全体的に赤褐色
・メスに角が生えていない
・尻尾の先が白色の毛
・アフリカ大陸中部~南部
〇トムソンガゼル
・脇腹や顔辺りにはっきりした黒色のライン
・角はオスのほうが大型
・尻尾の先が黒色の毛
・アフリカ大陸東部に生息
〇スプリングボック
・鼻のあたりが白色
・全体的に毛色が明るい
・アフリカ南部に生息
他に見分けるポイントがあれば教授お願い致します。
100頭を超える群れ大規模なハーレム
主にアフリカ大陸南部を主な分布域としており、標高2000m以下の暑く乾燥したサバンナ、砂漠など好みます。
主に草本や低木の葉類を主な主食ですが、雨季や夏季では草本、乾季や冬季は低木の葉を食べ分ける傾向があります。
本種の生息地はあまり水辺が無いために、水分補給ができるところは少ないですが、植物に含まれている水分で補っています。
草食動物らしく、群れで行動し、100頭程の大規模な群れを構成し、繁殖期にはオスとメス20∼30頭のハーレムを形成します。
ハーレムを作り、交尾するためには、他のオス同士が角のぶつけ合いで争い、一番強い個体であることを示す必要があります。
メスは2年に1度、約4∼5か月の妊娠期間ののち、1頭の幼獣を産み、オスは生後12か月で成熟しオスのみの群れへ入り、メスは6∼7か月で成熟しますが、3∼4週で母親の群れで合流します。
寿命は野生下では7∼9年ほど、飼育下では20年近く生きる個体が確認されています。
ガゼル類が身に着けた能力【ストッティング】
先ほどの<ストッティング>とは、4本の手足を地面から放し、頭を下にし、体を弧を描くような飛び方をする行動の事で、<プロンキング>とも言われます。
主にスプリングボック、ガゼル、ブロングホーン、シカ類などの有蹄類に多く見られる特有の行動で、主に肉食動物が接近するなどの脅威を感じた時に良く行われる行動です。
ストッティング行う理由としては様々な説が唱えられており、定まっていない部分が多くあります。
主な説として考えられるのは、、
〇素早く逃げたり、障害物を飛び越える
〇潜んでいる捕食者を発見しやすくする
〇他の群れの個体に危険を知らせる
〇捕食者を撹乱し、狙いを定まりにくくさせる
〇自ら健康であること、逃げられることを捕食者に提示させる
〇ストッティングをしながらでも逃げ切れると思わせるシグナル(心理的?)
〇単に遊びの行動(特に幼獣)
などですが、他に知っている説があれば、コメントよろしくお願い致します。
トレックボック
スプリングボックは、アフリカの羚羊類の中でも、生息数が多い1種で、かつては<トレックボック>と呼ばれる数万単位の大移動が行われていました。
しかし、狩猟や病原などにより、現在は未知の生態とされており、なぜこれほどの群れで移動を行うのか、どのように分かれていくのかが未だにわかっていません。
現在は、数万単位の群れは見る事はできませんが、200万頭以上が生息しているとされており、保護評価では軽度懸念【LC】という評価にとどまっています。
ウシ科動物の展示
動物園では必ずって言っていいほどウシ科動物が展示され、観察することができますが、最近では海外からの受け入れが難しく、残念ながらすべての種を見ることはできません。
先ほど記事で紹介した<スプリングボック>ですが、国内の動物園で観察することはできない1種です。
理由はわかりませんが、一つ可能性があるとすれば、口蹄疫、BSE(狂牛病)などの重篤な病原菌を国内に持ち込ませない可能性があるとされます。
口蹄疫、BSE(狂牛病)は高い伝染力をもち、一度国内に広まると、飼育されている野生動物に限らず、産業動物(牛、豚)などにも伝染するため、大問題になります。
同じウシ科動物では、他に日本の動物園で飼育歴のある<トムソンガゼル>が展示されていましたが、2020年6月の<富士サファリパーク>を最後に展示されておらず、現在、輸入も行われていません。
また、<トムソンガゼル>を含めた羚羊類は、<ストッティング>を行うがあることから、角折れなどの事故が多く、最悪命にもかかわる可能性が出てきます。
このように、恐らく動物園で生体を導入する際には、<家畜伝染病予防法>に基づき、重篤な病原菌が持ち込まれる可能性があるかどうか、施設での過去の飼育状況など様々な部分を考慮し、受け入れるかどうかを決めていると思われます。
なぜ、この動物は展示されていないのか、考えてみたり、
一度飼育員さんに聞いてみるのもいいかもしれません。
リンク
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○<X>アラフェネさん