新型コロナ流行の初期は気が狂いそうだった思い出 | 褥瘡ゼロを目指す 看護師の日記

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褥瘡ゼロを目指す看護師です。介護施設で働く看護師の日記。療養する全ての人が自分で動けなくても、意思表示出来なくても、穏やかに居られるように手伝いたい。その他の興味が向いた事も。

新型コロナが発生して、世界的に戸惑いのかな、治療の場面に直面していた医療機関は大変だったと思う。

感染対策、隔離、患者の重症化。

心身ともに、すり減っただろう。


施設でも、始めて感染者が発生したとき、感染拡大を阻止するのと、潜伏期にどれだけ広まっているか確定させるまで感染対策を完全にやらないといけなかった。職員も含めて、どれだけ広まっているかわからないから。


隔離で利用者の認知症にも影響してしまうし、徘徊も止められない。

日に日に発熱で発症が明らかになっていく。

高齢、基礎疾患多数抱えたハイリスク利用者の治療を施設で行わなければならなかった。


新型コロナ対策の取り組みで、パソコンで保健所に報告するシステムが導入され、いろいろ業務も増えた。

治療薬を処方するときには、家族に薬の説明と同意書が必要だったり、状態によっては入院先を探さないといけなかったり。


疲労で職員が倒れ、それを埋めるために残りのメンバーで対応。

人員補充もない中、次々に倒れていく。

自分は倒れるわけにはいかない、と気力を振り絞る。

感染対策はしているが、自分も感染したのではないか?感染していたら、自分が感染源になる恐れがある。

そんな不安感が常につきまとう。

いつまでこんな状態が続くのか、そんなことを考えてしまったら、胸から黒いモヤが喉を持ち上げて溢れてしまいそうになる。


そんな中、新型コロナウイルスワクチンを外来で対応するんだ、という達示があった。

うそやろ、利用者のワクチン接種だけでも160名ぶん、1回目、3週間明けて2回目のスケジュール組むだけでも大変。職員分なんかは、勤務を合わせて先の条件満たしてスケジュール組むのは、狂気の沙汰なのに?


ワクチンは、1バイアルで6人分で計算して、6人一組でまとめて、職員の勤務次第で6人組を組むのを考えるのが大変。

細かに区切られた期間に必要なワクチンの数を調べて、請求しないといけない。

ワクチンには冷蔵庫で保管できる期限があって、ワクチンロスさせたら、報告書を提出しないといけないから、余分に頼むなんてことはできなかった。


通常は、外来なんてやってないのに?外来で外部の新型コロナワクチン接種を対応するだと?

その対応のやり方は私が決めて作らないといけないじゃん!

毎日遅くまで時間外に利用者と職員のワクチン接種のスケジュール作成と、調整に追われているのに。


ここは施設なのに!


胸のモヤモヤが膨れて、涙が出てきた。


ナースメンバーからも日々の業務の不満を毎日聞かされ、なんとかしてくれと詰め寄られ、仕事は積まれ、利用者はいつ急変するか分からない。


看護師として働いているからこんな目に遭うのか。

医療、介護関係でなければ、自分の体調だけで心配しとけばいいし。

もう看護師辞めたい。

でも現実は、目の前のやるべき事を片付けないと。

とりあえず、やる。

もう無理。

でもやらなきゃ。


ワクチン接種2回目終わったら、3回目の接種まで、しばらくは外来のワクチン対応だけになる。

それでも、施設の業務は当たり前にやりながらだから、大変なんだが。

感覚が麻痺しているのか、「少し楽になった」と安堵していたのを覚えている。


長くなるので、利用者、職員のワクチン接種も大変だった内容は、次へ。