砂上の楼閣 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

突然ですが

神奈川県には1000軒(施設)以上の動物病院があります。

全国で1000軒を超えている都道府県は東京都と神奈川県だけです。

 

動物病院マウント?ではありません。

 

ここ湘南地域にフォーカスすれば、数百件、少なくとも100軒以上の動物病院があると思います。

実際、自宅周辺で言えば、5~6軒の動物病院をすぐに思い浮かべることが出来ます。

しかし、湘南地域で鳥専門の看板をあげているのは1軒のみ。

もちろん、鳥専門の看板を上げていなくても、多くの動物病院は鳥の受け入れをHPで表記しています。

でも、その多くは信用できない。

 

数年前、記事にしましたが・・・・

衝撃の動画を見た記憶が蘇ります。

 

ある鳥飼さんが愛鳥の僅かな体重減少を心配して動物病院へ行きました。

その動物病院の獣医師は強制給餌を行うことを選択しました。

ちなみに、体重減少の原因は一人餌移行によるものでした。

通常、さし餌から一人餌に移行する際は体重減少がおこります。

3~5%の減少は仕方ありません。

糞、仕草、細菌の有無etcを確認し、問題が無ければ当然、強制給餌は必要ありません。

 

もう、この時点で獣医師は鳥に関して素人状態であることが想像できました。

 

動画は進み強制給餌のシーンを映していました。

 

獣医師はぎこちない保定をして餌を無理やり流し込んでいます。

それも、メチャクチャなやり方で。

 

 

上記は、さし餌用のスポイトとして販売されている物です。

お湯に浸けた粟玉を吸い上げて雛に与える道具です。

 

昔は、さし餌=粟玉 だったのですが、今はケイティエグザクトをはじめとしたパウダーフードが豊富にありますので、スポイト派は少なくなっています。

それでも、文鳥(フィンチ類)は何故だか、粟玉比率が高いのです。

個人的には栄養バランスの優れたパウダーフードをさし餌に使った方が良いと思っています。

 

話を戻すと

獣医師は上記のスポイトに粟玉を詰めて、セキセイインコの口を無理やり開け突っ込んでいるのです。

セキセイの表情はイマイチ分からないのですが、苦し気に動いています。

ある意味、強制ですが、これは強制給餌ではありません。

口を開けない若鳥に無理やり、こんなことを行えば窒息の危険があります。

なんとか死なずに粟玉を放り込んで、獣医師が自慢げに言った一言は・・・

 

(強制給餌は)

「こんな、感じです」

 

撮影していた飼い主は納得したようでした。

自宅でも出来るように、撮影していいですか?

ということで、飼い主が撮影したみたいなのです。

 

初めて見た時、炎上商法でも行っているのか?

虐待動画か?

と思いましたが、違った。

 

青い服を着た本物の獣医師が診察室で行った、正真正銘のニセ強制給餌なのです。

 

その後、飼い主は2本目の動画を上げていました。

題名は確か・・・「強制給餌をやってみた」でした。

病院で間違った方法を教わり、自宅で再度、ニセ強制給餌を撮影したのです。

 

そんな動画を偶然見てしまった私はすぐさま、コメントをつけました。

行っていることは強制給餌ではないこと、窒息の危険があること。

出来る限り、傷つけないよう、柔らかく伝えたつもりです。

 

大きなお世話なのは分かっているのですが、万一、強制給餌を知らない他の飼い主がその動画を参考にすると、不幸なことが起こる可能性が高い。窒息する鳥の気持ちを考えると、黙っている訳にはいかなかったのです。

(今現在、動画は削除されています)

 

下記は当家で準備している強制給餌セットです。

 

 

医療用(動物専用)のシリンジとカーテルです。

フードポンプと呼ばれているものでも代用できますが、カテーテル部分が細くないとダメです。

何故なら、カテーテルをそのうまで挿入するからです。

高栄養の液状のエサ(パウダーフード)をそのうに直接入れることで、食欲の有無に限らず栄養を取れるのです。

 

ベテランの鳥飼さんなら、強制給餌が何かは知っていると思います。

 

ところが強制給餌を知らない獣医師がいる。

下手なプライドが邪魔をして知ったかぶりをするか?

何かの思い込みか、新手の宗教か?

 

残念なことにレアケースではないと思っています。

神奈川県にある動物病院1000施設の内、鳥の強制給餌が出来るのはせいぜい1割、多く見積もっても3割だと思っています。

強制給餌がすべてではないのですが、強制給餌が出来ないということは、そのう検査も出来ない。

当然、入院対応も出来ない。

鳥も診れますという動物病院の殆どはまともな診察ができないのです。

知っていましたか?

嘘だと思うのなら、動物病院へ片っ端から電話を掛けると分かります。

「鳥の健康診断をお願いしたいので、そのう検査ができますか?」と。

多くの動物病院は不可になります。

獣医なので投薬程度はできますよ。

ただ、経験や実績がないので、濃度を含め的確な投薬になるかは不明です。

 

そんな動物病院へ愛鳥を連れて行くということは、何を意味するか?

 

想像ではありませんよ。

「頑張って、きっと良くなる、獣医師にお願いしたのだから・・・」

鳥に対して無力な動物病院を理解せず、私も愛鳥を託したことがあるのです。

白文鳥のサスケに肺炎の初期症状が出てしまったのは約6年前。

病院ではビタミン、抗菌薬の投薬で帰宅。

それでも日を追って症状は悪化していきました。

再度通院すると気管支拡張薬が追加となりました。

今にして思えば、呼吸を早急に楽にすることが優先される緊急事態。

早期の入院および酸素吸入が必要な状態でした。

しかし、獣医師は投薬以外は何もしない。

正確に言えば、出来ないのです。

入院施設も無ければ酸素もナシ、鳥のレントゲンを撮る技量もナシ。

もちろん、強制給餌やそのう検査も出来ない。

ただの犬猫専門の獣医師だったのです。

もちろん、最初に鳥を診ることができるのを確認しての通院でしたが。

 

犬猫問題というか、犬猫専門獣医師が鳥を見殺しにする話は溢れています。

犬猫が悪い訳ではないのですよ。

技量がないのに受ける獣医師が悪いのです。

 

獣医師と言うだけで私たちは信頼します。

でもね、獣医学部で飼い鳥の知識は殆ど学びません。

例えば解剖学、免疫学、薬理学等々の専門科目での対象は主として哺乳類です。

内科も外科も皮膚科も存在しない挙句に全動物が対象の獣医なので、比率や需要の多い哺乳類に重点を置くのは必然です。

だから晴れて獣医師になっても小鳥(特に飼い鳥)の知識は無いに等しいのです。

鳥に強い獣医師になるには、鳥専門病院で経験を積んだり、勉強会へ参加する、もしくは鳥が大好きで自身で努力をしなければならないのです。

 

まじか!

と思う方・・・マジです。

 

医学的な知識では負けるかも知れないけど、単に愛鳥の生態を理解しているという部分ではベテラン鳥飼さんVS犬猫獣医師では圧倒的にベテラン鳥飼さんが勝者となります。

そんなベテラン鳥飼さんから見れば、犬猫専門の獣医師に愛鳥を託すのは、小学生に手乗りのインコを預けるようなもの。

逃がすか、四六時中、触りまくってインコは弱っていく・・・

 

そんなこんなもあって、私は動物病院と大きな距離を置いています。

正確には鳥専門病院と大きな距離を置いている。

鳥専門病院でも愛鳥の命を預けられないという判断なのです。

 

1時間圏まで広げれば数軒の鳥専門病院があるけど、当家の鳥たちは行かない・・・今のところ

 

機会があればお話ししたいのですが・・・

 

 

追伸

一般の動物病院でも少数ですが鳥に強い病院は存在します。

今は口コミやHPの治療実績を見れば分かるので、各自判断してください。