正直に言えば、鳥たちを迎えなければ良かったと思うことがある。
鳥たちの世話が嫌になった、
鳥たちが嫌いになったという訳ではない。
数十年前は一切思わなかったし、考えもしなかったこと。
例えば、ペットショップの鳥たち。
年がら年中雛が居て、売れ残る雛は若鳥になって行く。
数か月前の話、
滅多に行かないペットショップにはアキクサのノーマルが居た。
生後4か月を越えた完全な若鳥。
クリッピングされカゴに入れられている。
そっと指を持っていくと優しくカジカジしてくれた。
隣のカゴにはローズの若鳥。
指を持っていくと、怒って咬みつこうとした。
反応から見て、どちらもほぼ手乗り。
汚いカゴでエサはただの混合シードのみ。
確か27000円の値段が付いていた。
アキクサ以外にもセキセイ、オカメ、文鳥etc
多くの(売れ残りの)若鳥が居た。
殆どの若鳥たちはお迎えが来ない。
人知れず処分されるのか、繁殖に回されるのか・・・
いずれにしても、カゴの外を知らずに死んでいく可能性が高い。
厳密に言えば、ペットショップで手乗りを維持している間は、僅かな時間、カゴの外に出られるかもしれない。
しかし、クリッピングされていれば、鳥本来の飛翔は出来ない。
雛の内にお迎えされても、飼い主次第で悲惨な時間を過ごすこともある。
文鳥のシルバのクチバシを奪ってしまった私が言うのはおかしいけど・・・
ロストや完全な過失で鳥を殺す飼い主は多い。
犬や猫に留守番をさせる場合、通常は室内の放し飼い。
でも、鳥の場合はカゴに閉じ込める。
犬や猫に比べ、圧倒的な移動能力があるにも係わらず閉じ込める。
もちろん、飼い主は働いているだろうし、個々の事情もある。
でも、手乗りの鳥は待つことしかできない。
カゴの外に出ること、出してくれることをずっと待っている。
何度も発信しているけど、飼い主発言で、癒されるって、好きじゃない。
飼い主が癒されるのはどうでもいい。
鳥たちは癒されているのかな?
言葉が通じないから、癒されているか分からない。
だから、私は徹底的に放鳥をする。
間違いなく鳥たちがリラックスできるのは放鳥だから。
ある意味、破綻しているけど・・・
私は鳥たちの放鳥時間を拡大するため、週休3日という働き方をしている。
誰もが羨むかもしれないけど、経済的には厳しい。
でも、放鳥時間が減るので週休2日にはしない。
尚且つ、勤務時間帯を変えているので、365日、午前中放鳥は私が行う。
家人は専業主婦で鳥たちの放鳥に一役買ってもらっている。
ヤバい奴やん?
と思ってもらっていい。
一方的な癒しを求める飼い主は多い。
鳥は花でもなければ、ぬいぐるみでもない。
翼を持った賢い生き物。
なのに自由な時間は少なく死んでいく。
鳥を迎えた私も当然共犯者。
せめて、当家の鳥たちは健康で出来るだけ自由にしてもらいたい。
そのことに全力をかける。
それが私の贖罪。
鳥飼い復帰しなければ、SNSで無知な飼い主の記事やロスト情報を見ることはなかった。
ペットショップにも行かなかった。
死んでいく鳥たちを知らなければ悩むことも無かった。
だから、鳥たちを迎えなければ良かったと思うことがあるのだ。