温度差 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

本日、用事があって外に出てみると玄関のすぐ側にカラスがいた。

一見して普通ではなかった。

 

左の翼が落ちている。

良くて脱臼、多分、根元が骨折している。

反射的に心配で少し追ったけどピョンピョン跳ねて逃げて行く。

 

元気と言えば元気なので捕まえるのは難しい。

仮に捕まえても当家では保護することが出来ない。

住宅密集地でカラスを保護するカゴはもちろんスペースもない。

 

そもそも、野生種には手を出さないと決めている。

当家のアキクサ達や文鳥のシルバに悪影響が心配と言う訳ではない。

人の側で暮らしているとはいえ、カラスは野生種。

病気はもちろん事故やケンカ等で死んでいくリスクを負って暮らしているのだ。

心はザワザワするけど奇跡を願うしかない。

 

 

一方の当家のアキクサインコのチャチャとハル、文鳥のシルバは飼い鳥だ。

私が守る義務がある。

守る=飼い鳥なのだ。

健康診断に行かず鳥専門病院と距離を置くのは鳥たちが健康に暮らすため。

ここの話は何度もしているので割愛するが、私なりの愛鳥の健康への取り組みなのだ。

 

大部分の飼い主は定期的な健康診断に行っていると思う。

それは飼い主なりの愛情表現、何一つ批判することはない。

 

しかし、中には批判したくなることもある。

健康診断の有無ではない。

 

それは、愛鳥の投稿写真に見て取れる。

 

「可愛いでしょ、綺麗でしょ」という自慢は良い。

 

でも写真の無垢な仕草の足元を見ると、爪が魔女のように伸びている。

風切り羽が切られていることもある。

 

飼い主は本当に愛鳥だと思っているのか理解に苦しむ。

 

鳥には翼があるが手は無い。

クチバシが届かない頭や首元をカキカキするのは足なのだ。

魔女のように丸まった爪を使ってカキカキは出来ない。

仮に出来ても、大きな負荷がかかって爪の根元に痛みが生じないか?

もちろん、最大の懸念は服やカーテンに爪が絡まって足の骨折の危険がある。

 

自然種では適度に爪は削れるし、そもそも爪が絡まるような場所がないに等しい。

 

一方の人間が生活する環境下では、伸びすぎた爪が引っかかる場所はいくらでもある。

 

クリッピングに関しても、鳥の飛ぶという基本機能を奪うというのは悲惨なことだ。

もちろん、障害を抱えていれば話は別だが、飼い主の都合で風切りを切るというのは虐待だ。

 

結局、温度差というか飼い主の意識の違いなのだろう。

 

鳥の事を想えないというか、想像できないのだろう。

だから、爪ぐらい切らなくても大丈夫だよね?

逃げるから風切りは切った方が良いよね?となる。

 

そういう飼い主ほど、足が骨折したり、踏みつけ事故になって後悔して見せる。

 

それは違うのだ。

 

愛鳥に癒されるのは、ただの自己満足。

鳥は飼い主の為に生きているのではない。

 

本当に鳥たちの事を想うのなら、今の状態は本当に鳥にとって幸せなのか?

安全なのか?考えるのは当たり前だ。