換羽と甲状腺腫 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

もっとも恐れていたことが起こってしまいました。

 

 

それは文鳥のシルバの換羽です。

 

シルバの前回の換羽は2年5か月前です。

それ以来、換羽は無かったのです。

換羽が無いと言っても羽が抜けることはありましたよ。

でも、せいぜい1日に数枚程度、それも、ごくたまに。

 

クチバシが無いシルバにとって、換羽は大きな負担になります。

痒いであろう体をメンテナンスすることはおろか、新しく生えた羽のほぐしも出来ません。

長期間、換羽が無かったことは栄養的な問題というより、シルバ自身、大きな負担を避けるため

無意識に制御していたのだと思っています。

 

シルバは餌をすくって食べるので、選り好みをしません。

というか、出来ないのです。

餌箱に有るものが何であろうと、すくって食べます。

餌があまり軽いと上手くすくえないので、むき餌をメインとして、極小ペレット、

粉状のエグザクト、粉末状のカットルボーン等々をミックスし、飲水にはネクトンを使っています。

そうすることで、十分な栄養分をとることができます。

 

カットルボーンやネクトンにはヨウ素が含まれています。

ヨウ素は甲状腺ホルモンを生成するのに必要不可欠です。

 

しかし、換羽が始まると少し事情が違ってきます。

 

換羽が始まると、当然、大きな負担がシルバにかかります。

また、様々な栄養素とともに、甲状腺ホルモンも通常時より必要とします。

 

シルバの場合、栄養分の強化は比較的簡単ですが、ヨウ素に関しては不足する可能性があります。

何故なら、ネクトンやカットルボーンに含まれているのは少量なのです。

 

ここからは、甲状腺腫の話になります。

 

あっ!当家のシルバが甲状腺腫になっている訳でありません。

しかし、甲状腺腫は文鳥やセキセイインコに好発するという話があります。

実際、当家の白文鳥のサスケは甲状腺異常で亡くなりました。

 

甲状腺腫になると甲状腺は通常の50~100倍まで肥大し、気管を圧迫するため呼吸困難が発生します。

 

症状としては

呼吸音(キューキューやプチプチ)

開口呼吸

鳴き声がかすれる

食道圧迫による嘔吐、食欲不振

羽並みが悪くなる 等々

 

原因としては、ヨウ素(ヨード)不足と言われてます。

海由来の物にはヨウ素が含まれますので、ボレー粉やカットルボーンが

推奨されるのです。

 

ここまでは、ご存じの方が多いと思います。

 

少し話が逸れますが

一部の獣医師からの発信として、チンゲン菜、小松菜、豆苗等の摂取を控えるようにという情報があります。

その根拠は、ゴイトロゲンもしくはそれに準じる物質が含有されているからなのです。

ゴイトロゲンはヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺の肥大や甲状腺腫を発症させる可能性があるのです。

 

ゴイトロゲンがヨウ素の取り込みを阻害するのは事実です。

しかし・・・・エビデンスは存在しません。

 

つまり、小松菜や豆苗をどれだけ食べれば、文鳥やセキセイインコが甲状腺腫になるかは不明なのです。

 

個人的な感想になりますが、信じられない量を食べない限り、問題は無いと思っています。

ただ、ゴイトロゲンが含まれているのは事実なので、甲状腺異常を発症している鳥には控えた方が良いと思います。

 

そして、甲状腺肥大や甲状腺腫の治療について思うところを言うと・・・・

 

甲状腺異常では通常、ヨウ素を処方されます。

しかし、ヨウ素は甲状腺ホルモンを生成するための原料でしかありません。

言ってみれば、パンが甲状腺ホルモンなら、ヨウ素は小麦粉です。

 

重篤な場合、ヨウ素ではダメだと思っています。

だって、パン工場である甲状腺が肥大して悲鳴を上げているのです。

そこに、原料のヨウ素を入れても、甲状腺ホルモンが生成できるかは不明です。

それでは、何をするか?

実を言うと、ヨウ素より確実なものがあります。

それは、甲状腺ホルモン製剤です。

チロノームやエルトロキシン等の名称で販売されている甲状腺ホルモンそのものです。

チロノームを飲むことで、甲状腺を休ませることができ、体にはチロノームが行きわたります。

少なくとも、ヨウ素に比べれば、大きな改善が期待できます。

 

チロノームやエルトロキシン等は個人的に購入することが出来るのですが、残念ながら犬猫用です。

犬猫用では濃度や分量が合わないので、鳥には使用できません。

 

しかし、鳥専門病院や鳥に強い動物病院では処方してくれるはずです。

 

だから、もし、甲状腺由来で重篤な状態になったのなら、飼い主から甲状腺ホルモン製剤の事を

獣医師に尋ねたり、処方をお願いすることもアリだと思います。

 

この話は今回、調べたものです。

 

シルバの換羽が始まったということもあるのですが、甲状腺異常は鳥飼さんにとっては

深刻な問題です。もし、どなたかのお役に立てればという思いもあります。

 

当家の亡くなった、白文鳥のサスケは甲状腺の腫れで、ヨウ素を処方されましたが、

僅か数日で悪化して亡くなりました。

もし、あの時、甲状腺ホルモン製剤を飲ませていれば、少し結果が違っていたのかな?とも思うのです。