私のブログ記事は日記的なものがメインですがたまに、参考資料としての記事も書いています。
参考資料の場合、検索エンジンを意識した構成を行っていますので、古い記事でもアクセスが多くあります。
過去記事(参考資料)でアクセスが一番多いのは、クチバシの
ケガの対処法の記事で今でも毎月600〜900程度のアクセスがあります。
以前にもお話ししましたが、検索から入ってくるということは
ケガ、クチバシ、鳥等のキーワード入力をしているのです。
そして、そういう類のキーワードを入れるということは愛鳥がケガ(クチバシ)をしたということなのです。
多くのアクセスを見るたびに、元気になって欲しい、飼い主さんが諦めないで欲しい。
そう思ってしまいます。
本題に入りますと、
強制給餌についての過去記事も毎月多くのアクセスをいただいています。
そこで本日は過去記事(強制給餌)の補足を行おうと思います。
強制給餌がどういうものかということは、過去記事をご覧ください→こちら
ご覧頂いていることを前提で進めますと、
強制給餌の難易度で言えば、フィンチ類よりインコ類の方が遥かに難しいものになります。
フィンチ類のクチバシは直線的で舌はスルメの様にピロピロしているので
カテーテルが比較的スムーズに入りますが、インコ類はクチバシが曲がっているので難易度が上がります。
そして、カテーテルを挿入した後、カテーテルを咬んでしまいます。
そしてそして、そのうへカテーテルを落とし込もうとすると団子みたいな舌が邪魔をしますので難易度がまた上がります。
強制給餌の未経験者にとっては、不安と恐怖でしかないと思います。
今はユーチューブやブログで詳細を公開している方がいますので、ここでは精神的なお話をしますと
強制給餌をやる以上は、かわいそうとか、怖いという感情は切る必要があります。
躊躇しながら行うと、上手くいかないばかりか、気管への誤挿入が発生したり鳥の体力を必要以上に奪ってしまいます。
とは言え、鳥は拒否して首を振るし、暴れるし・・・
それでも、すると決めた以上はやるしかないのです。
出来ないのならば、信頼できる病院へ速やかに入院させるしかないのです。
ここで一応、流れとポイントをお話ししますと
インコの場合、
クチバシの側面にカテーテルを当ててこじる様にクチバシを開けます。
その際、鳥は保定して首が伸びている状態にしてください。
首が曲がっているとカテーテルが上手く入りません。
カテーテルを口内に入れると、咬む又は舌で押し出しそうと抵抗しますが、冷静に喉の奥へカテーテルを入れてください。
初めて強制給餌を行う方はここの攻防に多くの時間を使います。
でも、それは仕方ないのです。
鳥だって必死なのですから。
ここで重要なのは、時間より間違って気管へ挿入しないことです。
ただ、気管の入り口は口内の奥(下側)に小さくありますので、普通、誤挿入は起こりません。
起こるとすれば嫌がる鳥に焦った飼い主さんが、無理矢理入れてしまったという
ことだと思います。
ここで大きなポイントをお話しますと・・・
口内の攻防を乗り越えて、カテーテルが食道を通り、そのうへ進む場合、
何の引っ掛かりもなくスッと入って行きます。
しかし、稀に何かに引っかかる感じや簡単に進まない場合があります。
その時はすぐに抜いて、やり直してください。
私自身、特殊な事情もあり、文鳥の強制給餌を数百回、インコの強制給餌を数十回行なってきました。
そんな中で、口内の攻防を乗り越えたのに進まないという経験が
何度かあります。そんな時は即座にカテーテルを抜いてやり直して来ました。
進まないと言うことは、気管への誤挿入が発生しているか、カテーテルの向きが
おかしい為、違う方向へ力がかかっているのだと思います。
ちなみにやり直すと問題なく成功します。
それともう一点
カテーテルをどれだけ入れれば良いか?と言うことですが外見からそのうの位置を確認して、
カテーテルに印を付けると言う話をよく聞きます。
もちろん、それが正解です。
ただし、入れ過ぎるとそのうを押してしまう可能性があります。
(柔軟性があるので簡単にそのうが破れたりしないとは思いますが)
そこで、私の場合は浅目に入れています。
カテーテルが口内の攻防を乗り越えてスッと入ったならば、
極端な話、誤飲は無いので、そのうの底まで行かなくて入口でも問題ありません。
それと給餌量とパウダーフードの粘度ですが、
アキクサインコの場合は3.5g
文鳥の場合は1.5g
上記は空腹時1回のMAXです。
実際にはもう少し入りますが、個体差も考えたら妥当だと思います。
粘度はポタージュスープ程度です。
強制給餌を行うと言うことは、水分も必要ですし、
固めに作ってしまうとカテーテルの詰まりが発生する可能性があります。
それともう一点、パウダーフードを注入する速度についてですが、
1g(1cc)につき1.5~2秒程度で慎重にシリンジのピストンを押し込みます。
焦って入れてしまうと、そのうを傷つける可能性があるのです。
熟練してくれば特に気にする必要はありません。
以上が強制給餌を行う際の注意点とポイントです。
ただ、残念なことに強制給餌は医療行為ですが、治療ではありません。
慢性疾患の進行による食欲不振、不能の状態で強制給餌を行っても殆どの鳥たちは亡くなっていきます。
たとえば、シルバのようなケガや急性的(一時的)な病状の場合は強制給餌を行うことで
栄養が取れて体調が復活する可能性がありますが。
個人的な話をすれば、白文鳥のサスケが亡くなる時、強制給餌が出来ないことを
後悔しました。死因は甲状腺異常からくる呼吸困難でしたが、絶食が続いていたのです。
そして、3か月前、アキクサインコのちゅらが亡くなる時、強制給餌をすることはできましたが、やはり後悔しました。
ちゅらはサスケ同様、重篤な呼吸困難の状態でした。
結局、強制給餌をしても、ちゅらを救うことはできなかったのです。
もちろん、強制給餌は言ってみれば、ただの給餌なので進行した病を治すことも止めることはできません。
この記事がしばらくして過去記事になって、検索からたどり着いて頂いた方々は、
今、この瞬間、強制給餌をする必要に迫られているハズですので、
こんなことを書いても意味は無いのですが、もし、ちゅらの異変に早く気付いて、
対処をすれば、もしかしたら、元気で暮らしていたのでは?
そんなことを、何十回、何百回と今でも考えています。
糞は当然、羽並みであったり、足だったり、鼻色だったり、もっともっと詳しく注意深く見ることができれば・・・
大切なちゅらは死ぬことは無かったのでは?と考えてしまうのです。
話がそれてしまいましたが、以上がインコの強制給餌の補足記事です。