保護は虐待 |   Flying in the sky Sasuke

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   ~アキクサ達と文鳥のシルバのお話です~

季節が進み、投稿が減ってきましたが、たまに見かける記事。

 

「スズメの雛(若鳥寸前)を保護しました、でも餌を食べません。

どうすればいいのでしょうか?」

 

辛辣な記事になります。

不快な思いをされたらごめんなさい。

 

ご存じですか、保護というのは危険や脅威から弱いものを守ることを言います。

巣立ち前後のスズメや野鳥の雛を連れ帰るのは、保護ではなく虐待です。

何故って?

連れ帰っても、餓死するのです。

それに、訳の分からないカゴに入れられて、人間に観察されて・・・・

大きなストレス以外の何物でもないのです。

 

通常、一般人はスズメや野鳥の雛に遭遇しても無視します。

しかし、鳥飼さんは可哀そうという気持ちが強く連れ帰る方が多いのです。

 

連れ帰るのは勝手ですが、責任をとれるのですか?

野生の雛鳥は人間から餌を食べません。

 

 

まだ、百歩譲って野生の成鳥が怪我や病気で弱っているというなら、

病院へ連れて行ったり、療養させたりというのは理解できます。

 

でも、雛を連れ帰ってはダメなのです。

 

話は40数年ほど前にさかのぼります。

私は九州の地方都市で両親と暮らしていました。

新興住宅地でしたが、辺りには森も残っていて、自宅の鬼瓦の空洞部分(内部)に

スズメが巣を作っていたのです。

春になると毎年、毎年、雛の声が聞こえていました。

 

そして、巣から落ちてくる雛もいました。

産毛が生えた程度の雛は、残念ながら死にます。

もしかしたら、体力的に弱いため兄弟たちに落とされたのかもしれません。

 

そういう雛とは別に、巣立ち寸前(ギリギリ飛べない)の雛もよく見かけました。

当時はセキセイインコを飼っていましたので、何度か保護したことがあったのです。

しかし、当然餌は食べません。

途方に暮れて、カゴに入れたまま屋外に置いておくと・・・・

 

親がカゴ越しに餌を運んでくるのです。

餌の残骸を見ると、蜂や小さな虫です。

今ならば、すぐ放してあげるのですが、当時はそういう意識がなかったのです。

まだ飛べないから、しばらくこのままでいいのだと。

 

でも、スズメの雛は餓死してしまいました。

私がいくら子供だったからとしても、すごく残酷ですごく後悔しています。

 

巣立ちに失敗したのか、弱い個体なのかギリギリ飛べない雛というのは珍しくありません。

そんな雛を狙う、蛇やカラスがいるかもしれません。

でもね、雛を食べることで繋がる命もあるのです。

それに、見守っている親がフォローするので無事危機を乗り越える雛もいるはずです。

 

そんな状況を理解せず、人間の一方的な感情で連れ帰るのは虐待に等しいのです。

過酷な自然の世界で暮らしているからこそ、飛ぶ自由が保障されているのです。

そう思いませんか?

 

私も鳥飼なので巣立ち寸前の雛が不安そうにしていると、連れ帰りたい気持ちになります。

自宅で強制給餌を行い、巣立ちさせることも可能です。

でもね、家にいるシルバやアキクサ達と自然の鳥は違うのです。

飼っている鳥は人間が餌を用意して、外に逃がさないようにする。

自然の鳥は自然で生きているのです、人が手を入れないことが最善なのです。