パリ世界大会2017 その⑧ | 飛田恭志の『かゆいとこないです』

飛田恭志の『かゆいとこないです』

『向き・不向きより、前向き』

下町の理容師の日常をつづっていきます。

ここまでシニア部門のご紹介でしたが、今回は同時に開催されているジュニア部門とマスター部門のご紹介をしていきたいと思いますよ( ^ω^ )

 

マスタースタイリスト部門は50歳以上が出場資格になります。

日本から出場なさった選手の皆さんです。

町田敏二(茨城)
中山明(高知)
北地一行(香川)
石山四三(宮崎)
西榮三(京都)
鳴海勝(大分)

 

(その方がかっこいいと思いましたので敬称略で申し訳ありませんm(__)m)


前回からの続きなのですが、実はこのマスター部門もドライヤーなしの競技。
仕込みが命になってきます。

しかし!
まさかの同じことが起こります。

「ドライヤーを使えない競技のため、開始前には濡らされない」と聞いていたけど、なんとこの競技も濡らされてしまいました。

マスター部門に出場された皆さんは、当然、準備してきた作るべきそれぞれの作品が作れるわけもなく、
「パリまで何しに来たんだ・・・」
「何もできなかった・・・」
「カタチになるわけないだろう・・・」
と、とても肩を落とされ、ほんとにむごたらしい結果になってしまいました。

 

シニア(&ジュニア)は1カテゴリー2競技なので、半分残念で済みますが、マスターの方はこの「濡らされちゃっておじゃんにされたこの1競技」のみ。

終わった後、皆さんに「とびたくん・・・世界大会って、いつもこんななの?」と消沈と怒りが混じったお声を掛けられ、「申し訳ありません・・・”これが世界大会だ”としか申し上げられません」としかお答えできませんでした。

出場された皆さんは素晴らしい勇気と技術者スピリッツをお持ちだと思います。


私なら、この会場に居たくもありません。
二度と出場しないと思います。

上の写真のお顔は曇っていらっしゃいますが、写真におさまるだけで素晴らしいハートだと敬服いたします。

 

「自分だったら、50、60歳超えて、パリまでコンテストに出られるかなあ・・・」と思ったら、とても尊敬してしまいます。

 

運営側の今回の暴挙を全理連がサラッと見逃し、これだけ馬鹿にされても「また次回も普通に日本チーム出まーす」とかいって、ボイコットしないのであれば、・・・ぜひまた出場していただきたいと思います。

 

 

はい。
もちろん愚痴ってます。

(+_+)

今回”も”お付き合いください(=_=)

 

 

 

 

さて、話は変わりまして23歳未満で競われるジュニア部門です。

 


右から原田、村松、伊藤
 

そして↓渡慶次のテクニカルチーム

 

 

そして右から中村、新出、村松のファッションチームです。

 

ジュニア部門もシニアと全く同じ規定で競われます。

 

シニア部門への出場資格は各国違っておりまして、日本では「全国大会で3位以内」なので、ある程度実力が整いますが、ジュニア部門は申し込みをすれば出られてしまいます。

 

入るのは簡単ですが、中でやっていくのはとても厳しい。
と、はっきり申し上げておきましょう。

 

私の時代なら「経験二年目」になるのでしょうけど、今は専門学校は二年制。
学校を卒業して一年未満でナショナルチームに入り、シニアの全国上位レベルが作ったデザインを頂戴して作品を作ります。

経験と勘がものをいうヘアの世界で、シニアのデザインに追いついていくには学生レベルの「おれ、ちょっとできる方かも?」なんてクソの役に立ちません。


おそらく、最初はどこ1つとっても理解もできないでしょう。
 

それでも日の丸の端っこを背負って世界の舞台に立つのです。
人間性を叩き直され、足りない経験値は練習量で補うしかありません。

 

しかもメダルを確実に狙いに行きます。


制度や環境がいろいろあるのでしょうね。
海外では「23歳でも経験10年」という選手がざらにいます。

しかも若いので「われこそは天才:*:・( ̄∀ ̄)・:*:」みたいなやつが世界中から集まってきます。

 

ヌクヌクの日本の学校を出てから一年ちょっとで、そんな世界で技術を競おうというのですから、並大抵の厳しさでは足りないのです。

 

しかも、「ドライヤーを使えない競技で直前にビショビショに濡らす」という暴挙が、ジュニア部門にも適応されました。

すでにシニアでそれは起こってしまっていたので、心の準備だけはできていたというか、「タオルでバーッと飛ばすしかない!」とか、話だけはできた程度の対応しかできませんでしたが、それでもジュニア部門にしては難しいウイッグをきれいにカットできていたのだと思います。

結果、ジュニア部門 団体

テクニカルカテゴリー 銀メダル

ファッションカテゴリー 銅メダル

を頂くことができました。

 

あらためまして

↑こっちテクニカル

 

↓こっちファッション

 

 

 

しかも、一番、テクニックと練習量と経験と勘が問われる

「クリエイティブ」という部門で、原田さんが部門別で金メダルを取りました。

作品、これね。

 

おめでとー

ワ━(*゚∀゚人゚∀゚*)━ィ♪!

 

 

隣のおじさんがとてもいやらしい感じに映ってしまっておりますが、この方がOMCの一番偉い人でございます。

 

 

 

さて、そんなこんなで世界大会の報告編はこれにておしまい。

 

世界大会の報告をSNSにアップしたって、3日で『下』に行ってしまいます。

全国大会だって1週間。

 

彼らの思いと努力はそんな軽くありません。

 

私はそれが嫌なのです。

年末までしつこく引っ張ります。


私のやり方と目線で申し訳ないのですが、精一杯「全理連ナショナルチーム」の活動の報告を続けてまいりますので、皆様も、お付き合いください。
 

 

次回からは↑の目線からはちょっと外させていただいて、
私と一緒にパリの街を散策しましょう
ワ━(*゚∀゚人゚∀゚*)━ィ♪!