とある外伝13 | とある作者のブログ

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ー学園都市とあるストリートー
今日は高畠の退院の日である。
白井と高畠は病院を出て、高畠の寮へ向かっているところだった。

白井「しかし、本当にすごい回復力ですわね、あの秘薬。」

高畠「ん?まぁ、師匠が持たせてくれたものだから頷けるけどね。」
そんな2人を見ている人物がいた。

???「あらぁ?あれは御坂さんのルームメイトのぉ、白井さんじゃない。隣の男の方は誰かしらぁ?ちょーっと心を覗かせてもらうわよぉ?」

ピッ

高畠(ん?)

???(あ、あらぁみれないわぁ?どおしてぇ?)

高畠(今、何者かが俺の心を読み取ろうとしたな…。)

高畠は犯人を突き止めるため、周りを見渡した。そこには明らかに慌ててる金髪の女がいた。

高畠(あれは…。確かアレイスターからの情報によると、レベル5の心理掌握、食蜂操折だな。ちょっとお灸をすえておくか。)

白井「どうしましたの?」

高畠「なぁ、黒子。俺は今からある奴にちょっと警告をしにいく。一緒についてきて欲しいんだが、1つ約束してくれ。」

白井「なんですの?」

高畠「俺がその人物の正体を一発で言い当てるから、その人物が黒子の知りあいでも、俺が言い終わるまでその人物の情報は何も言わないでくれ。」

白井「わかりましたわ。」

トコトコ。高畠達は食蜂に近づく。

白井(あ、そういうことですの。)

食蜂「あっ…。何かようかしらぁ?」

高畠「やぁ、俺の心が読めなくて、心の中で動揺してる、レベル5の心理掌握。食蜂操折さん?」

食蜂(な、なんで私の心が?)

高畠「なんで私の心が読まれた?って思っただろ。」

食蜂「ー!」

高畠「読心鬼術っていう術があるんですよ。」

食蜂「わ、私に何をしようってわけぇ?そして、あなた何者ぉ?」

高畠「いや、ただ警告です。無闇に心なんか読み取るもんじゃないですよ?僕みたいな特殊は人間に能力かけたら、バレますから。」

食蜂「何者?」
食蜂は珍しく真顔で聞いた。

高畠「ま、忍者とでも思っててくれれば結構です。では。」

白井「ごきげんよう。」

食蜂「……。」

ー食蜂から離れたあとー

白井「まさか、望さんにも心理掌握みたいな力があるとは…。」

高畠「ん?ああ、あれ嘘。」

白井「はい?でも、食蜂の考えていたことを的確に当てていらっしゃったみたいですけど?」

高畠「あんなの顔みりゃなに考えてるかくらいわかるよ。実験読心鬼術ってのは忍術にあるけど、俺はその訓練は受けてないんだ。」

白井「そうでしたの。」

ー15:00高畠の部屋の前ー
高畠「ありがとう黒子。ここだ。」

白井「じゃあ、上がらして貰いますわね。」

高畠「え゙?」

高畠は明らかに不味いという顔をした。

白井「望さん?なにやら動揺していらっしゃるようですわね?何かありますの?」

白井は妙に高いトーンで聞いてきた。

高畠「いや!別に!でも今日は黒子も疲れたろ?ゆっくり黒子の寮で休めって。」

白井「望さん、もしやあんな本やあんなDVDが?」

高畠「いや、そういうのは無いんだが…。」

白井「じゃあ問題ありませんの。お邪魔しまーす。」

ガチャッ

高畠「ああ!」

ー部屋の中ー
白井「…。」

高畠の部屋は新品と言えるほど綺麗だった、ただ部屋の一角を除いては。

白井「随分、物騒ですのね…。」

高畠「ははは。」

そう、高畠の部屋の一角は、大量のくない・手裏剣・小太刀・爆弾・鎌付の鎖・只の鎖・閃光弾・何らかの効果を生むであろう多種の薬・忍者装束・陰陽道の物であろうお札・治療薬など大量の武器や薬で埋め尽くされていた。

白井「あなた、学園都市にこんなに武器をもってらしたの?」

高畠「はい…。」

白井「殿方の部屋は色々汚いといいますが、ここはそれらの例を遥かに超えてますわね。まぁ、散らかってないのが不幸中の幸いですが。」

高畠「面目ない…。」

白井「まぁ、忍者兼陰陽師の妻になるなら、これらにも馴れなければなりませんし、ま、いいですわ。」

高畠「つつつ妻って!」

白井「あらぁ?そのつもりじゃなくてぇ?」

白井は高畠の頬をツツツと指でなぞる。

高畠「は、はいぃ!そうです!」

白井「よろしいですわ。では、お食事作りますわね。」

高畠「あ、ああ。」

白井は「あら?材料はまともですのね?」なんて言いながら料理をしている。

高畠(あー、ビックリしたぁ~。黒子ってあんなキャラだっけ?)

ーーー御坂『あの子のスキンシップは強烈よ?』

高畠(ま、まさかね。ははは…。)

****
高畠「ごちそうさまでした~。」

白井「お粗末様。」

高畠「じゃ、片付けは俺するから。」

白井「気になさらないで。」

高畠「ありがと。」

白井「~♪」

白井は楽しそうに片付けをしている。

****
白井「はー、終わりましたの…あら?」

高畠はこの寒いのにベランダで空を見つめていた。

白井(どうしたんでしょ?)

ガラガラー

白井「ちょっと望さん?風邪ひきますわよ?」

高畠「……。」

白井「ちょっと望さん!」
ドンっ。高畠を小突いた。

高畠「ん?ああ、黒子か。悪い悪い。部屋に戻ろ。」

白井「ええ。」

ー部屋の中ー
白井「さっきはどうしましたの?物思いにふけって…。」

高畠「あ、いや、なんかこんな風にしてもらえたの、あの最も憎く、かけがえのなかった母さん以来だなって…。」

白井「あっ…。」
白井は気がついた。今、この人は過去の傷に苦しみ始めたと。

高畠「あ!なんか飲むか!」
そして、話を逸らすであろうことも。

ギュッー

高畠「…。」
後ろから白井に抱きしめられ高畠は何も言えなくなってしまった。

白井「望さん?私はあなたをお支えすると言いましたわ。だから、ちょっとでいいんですの。あなたの今痛んでる傷を話してくださいな。」

高畠「そう、だな。いずれは話さなきゃいけないと思ってたし。」

深呼吸をして高畠は話し始めた。

高畠「俺が捨て子ってことは知ってるよな?」

白井「はい。」

高畠「じゃあ、なんで捨てられたかを話すよ。うちはな、代々から忍者を継いできた忍者の名門の家だったんだ。そこに俺は生まれた。最初は本当に両親からの愛を受け、幸せに暮らして、忍びの修行もしてきた。だけどな、7歳くらいに俺の左目に薄く青い線が浮かび上がり出したんだ。最初はかなり薄かったから皆、どっかで何か着いたんだろうと言っていた。だけど、その青い線は徐々に濃くなっていき、8歳になった時には完全に青の五茫星、すなわち晴明紋がくっきり左目に刻まれたんだ。その五茫星が陰陽道の力を蔵していると分かるまではそう時間はかからなかった。そうして、俺は一族から純粋な忍者の家系に陰陽道の使える忍者がいたら穢れになるってことで、ある日山に捨てられた。」

白井「そうでしたの…。」

高畠「その後は師匠に拾われて、死んじまったライバルと3人で暮らしてた。」

白井「どうして、その師匠さんはあなたを拾ったんですの?」

高畠「師匠はな、忍者でありながら、陰陽道を研究してる学者なんだ。だから俺の晴明紋と名前を聞いて一発で事情を読み込み、俺を拾ったんだ。」

白井「そうでしたの…。」

高畠「でも、やっぱり本当の家族との生活の日々はくっきり心に残っちまって…。たまにそれが蘇って心がづきづきするんだ…。」

白井「大丈夫ですの。」
白井は優しく高畠に声をかけた。

白井「これからは、私があなたの家族としてお支えいたしますわ。」


****
高畠「悪いな、こんな時間まで…。」

白井「いいんですの。望さんと一緒にいたかったですし…///」

高畠「そ、そうか///門限大丈夫?」

白井「問題ありませんわ。テレポートで帰りますので。」

高畠「そっか、じゃあまた。」

白井「ええ。では。」
シュン
白井は帰路についた。

高畠「ありがとう、黒子。」
誰もいない夜空に高畠はそう呟いた。







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