恥ずかしながら68歳でカメラを始めて70歳で、フォト検準1級と1級両方とも合格出来ました。
そもそもフォト検を受けた動機は、初めてデジタルカメラを購入した2018年に、ある63歳の方が「退職後カメラを始めたがカタログ用語が分からず調べている内にフォト検を知り、2,3級共合格した。」旨、ブログにUpされているのを拝読し、年齢差はあるものの私も同じだと68歳で一念奮起し、フォト検2級と3級を満点近くで合格しました。その後、2019年は仕事の合間に”写真入門コース”を受講しましたが、指導者の経験則のみの指導内容なので、独自に各被写体別撮影方法を纏めることに専念しました。
コロナ禍の2020年、古希を迎えた記念として第18回フォト検準1級と1級を受け、運良く両方共合格出来た次第です。
フォト検合格のブログUpは10以上あり、合格証,試験会場,勉強方法等など事細かくブログで説明されている方が多いです。
それを真似してか、以下にフォト検のポイントを纏めました。
1.フォト検とは
文部科学省後援で(公財)国際文化カレッジが運営するフォトマスター検定試験(3,2,準1,1級)及びEX(エキスパート)があります。
フォト検の資格がないと就けない職業があるわけではなく、単に自己啓発・趣味の範疇であり、言い換えれば”自慢するしか使い道
がない”と言っても過言ではなく、EXを除いて写真の上手さを保証しているのではありませんが、合格するために得た知識は写真
撮影の腕を上げるために必要なものです。なお、写真歴の長いベテラン・プロカメラマンで持ってる人は少なく、そこが問題で、ベテランや
ベテランに習った人ほど科学的でなく都市伝説的な事を言う人が多いと思われます。むしろ若手のハイアマチュアの方が理論的です。
3級 : 趣味として楽しむレベル (基本的な知識・技法)。
製品の取説内容が理解でき、ピント・露出が意図的に撮れるレベル。当初はDPE店接客業務等に必要な知識とのこと。
2級 : 趣味を深めるレベル (一般的~中程度の知識・技法)
例えば被写界深度の意味が分かるだけでなく、表現に活かせるのかが分かるレベル。
準1級 : 趣味を極めるレベル (上級程度の知識・技法)
写真とカメラに関する高度な知識を有するレベル。
1級 : 写真教室の指導者を目指すレベル
カメラと写真に関して正しく科学的に解説出来るレベル。写真歴20~30年レベル想定とも言われている。
EX(エキスパート): フォト検1級合格者のみ受験出来る"写真の達人"としての認定コース。
高度な実用知識を前提に、作品創作力・写真活動実績・指導性などの総合評価により認定される。
2. 出題方法・範囲
2004年から始まったフォト検は当初2回/年あり、共通問題と選択問題(フィルム、デジタル、フォトレタッチ)に分かれていたが、2015年から統
一問題となりました。又、最近の問題レベルは以前より1ランク難しくなっています。昔の1級問題が現在では2,3級問題になっている。
(1) 1級~3級は、正誤問題、多肢択一問題、一主題複数出題方式、別紙図版用紙に示された写真・図等を見ながら解答する実
践問題 (1級 : 80問/80分、準1級 : 70問/80分、2級・3級 : 60問/80分)で、試験範囲は、
①撮影方法、②撮影技法、③カメラのメカニズム、④レンズ等の光学問題、⑤露出の決定方法、⑥撮影周辺機器・機材
⑦ライティング、⑧被写体観覧知識、⑨関連法規、⑩マナー、⑪写真史、⑫写真家、⑬プリンター関連、⑭デジタルカメラ関連
⑮フォトレタッチ関連、⑯フィルムカメラ・フィルム現像関連
(2) EX (エキスパート)
1級合格者で、写真活動経歴、作品提出、小論文により総合判定。
①写真活動経歴 : 各種コンクール・写真展における受賞証明書、個展開催等発表証明書、講師等指導経歴証明書
②作品提出 : 1分野四つ切り5点、総合は3つの異なるジャンルの作品、計15点提出。
③小論文 : 与えられたテーマについて800~1200字以内で提出。
3. 2020年第18回フォト検1級~3級試験実績
(1)試験会場 : 一般会場(個人受験者) 47箇所(群馬県と鳥取県は無し)、準会場(団体受験者)59箇所
(2)受験者総数 : 3,581名 (通年5~6,000名、第1回からの受験者総数は93,516名)
(3)受験者男女割合 : 男性 約72.9%、女性 約27.1%
(4)受験者年代割合 : 10歳代 : 約6 %、20~40歳代 : 約76 %、50~60歳代 : 約17 %、70~80歳代 : 約1 %
(5)受験者・合格者・合格率
|
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
1級 |
817名 |
181名 |
22.15 % |
準1級 |
737名 |
332名 |
45.05 % |
2級 |
1,198名 |
735名 |
61.35 % |
3級 |
829名 |
600名 |
72.38 % |
(6)1級問題の分析
80問/80分は年寄りには厳しい。やたらと長い問題文を理解するだけで1分以上掛かる問いもあり、マークシフトに転記するだけでも時間が掛かる。過去問に無い問題がかなりあった。
①計算問題 15 % : EV値、ストロボ合成GN、過焦点距離、被写界深度の計算等
②フォトレタッチ 5% : RGBチャンネル別トーンカーブ、ヒストグラム、自動コントラスト調節等
③フィルムカメラ・現像 10% : カラーリバーサルフィルム層構成、バライタ紙等
④図版・写真による解析 25% : ローリングシャッター歪、アオリ操作、比較明(暗)合成等
⑤その他 : 太陽・月・星撮影時の設定、レンズ構成・ガラス、CFexpressカード等
(7)勉強方法
カメラ購入して、右も左も分からない状態から始めたので、
①2級、3級受験の時は、事前に数十冊の書籍とブログ・サイトを参考に写真撮影について約100枚Wordで纏めていたので、
試験勉強は1箇月前から2級、3級それぞれ15枚程度にPointを纏め、試験直前に過去問3年分を3回繰り返した。
②1級、準1級受験の時は、古希の誕生日を迎えてから勉強を始めたのでTotal 1.5箇月間夜だけだが勉強漬け。
まず、2019年に公式テキスト(約500枚)が発刊されていたので、それの1級・準1級レベル集約版として約140枚Wordで纏め、
試験前には1級、準1級それぞれ20枚程度にPointを纏め、試験直前1週間で過去問4年分を2回繰り返した。
フォト検合格諸先輩達のブログ・サイトによると、多くの方が過去問+α(過去問で分からない箇所を調べる)で勉強したとの
ことですが、何分経験2年で70歳の小生としては、これが背一杯の勉強でした。
今後は、自分へのご褒美として、新型のフルサイズミラーレスカメラを購入し、又、写真撮影Procedure・Instructionを纏めていき、
残りの余生数年をゆっくりとカメラで楽しんでいきたいと思います。