初日の舞台は上々のすべりだし(星組大劇場公演) | to-be-physically-activeのブログ

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 まずは恙なく新年最初の舞台の幕が開けて良かったです。開演前に12月から新理事長に就任された村上浩爾さんのご挨拶で始まりました。お正月の震災で被害に遭われた方へのお見舞いに始まり,今後の宝塚歌劇団の運営方針や過密スケジュールや劇団員の働き方の改革,因習的な規則で管理されている生徒やスタッフの負担の軽減や合理化など,新しい宝塚の在り方を目指す方針が説明されました。誠意は伝わりましたが,大勢の観客を前にとても緊張されていた様子なので,詳しい内容は1月5日発売の『歌劇』1月号のご挨拶の文章(pp. 64-65)をじっくり読ませていただき決意のほどを理解しました。文章の最後のほうに,今年退団するトップスターたちへの労いの言葉が添えられていました。

 「近年のコロナ禍以降の困難な時期を乗り越え,宝塚歌劇を牽引してくれたトップスターたちの卒業公演も控えています。その間,組を先導してくれた彼女たちの重圧や責任は筆舌に尽くしがたいものであったと思います。彼女たちが卒業する日を,本人たちや切磋琢磨してきた仲間たち,応援してくださっているお客様皆様と晴れやかに迎えられるよう,全力で支えてまいります」

 まさにその通りだと思います。110周年の記念行事よりも,3組の退団公演を普段の日常を取り戻した状態で完遂することが今年の最大の目標であろうと思います。

 とても重たい空気感で星組初日が開幕しましたが,礼真琴さん率いる星組生たちによる『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~』は,スピード感あふれる展開で映画とは異なる恋愛模様をたっぷり織り込んだソフトな舞台に仕上がっていて良かったです。初日なので体の動きに固さはありましたが,股関節を痛めそうなナートゥダンスの場面の盛り上がりは舞台を重ねるに従って洗練さと勢いを増していくことが期待できそうです。指田珠子先生のレビューも,さまざまなアイデアが重層的に盛り込まれた斬新な内容で,劇場内での熱狂や興奮とは裏腹な,バックステージの静けさや役者の孤独が丁寧に楽曲とダンスで表現されていました。熱狂と興奮という点では,ディープ・パープルの『Highway Star』(1972年)には痺れました。ハードロックも,50年経った今ではノスタルジックなリズムに昇華したなと感じました。