花組東京宝塚公演『うたかたの恋』の千秋楽を配信で視聴する | to-be-physically-activeのブログ

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 花組東京宝塚公演『うたかたの恋』は,休演なしに完走を達成し3月19日に大千穐楽となりました。水美舞斗さんの専科移動や華雅りりかさんや都姫ここさんの退団もあって,配信を視聴しながら彼女たちのこれまでの活躍を思い出し感慨に耽っていました。

 終演の挨拶の中で,柚香光さんが3月19日はマリー・ヴェッツェラ男爵令嬢(Baroness Mary Vetsera)の誕生日であると紹介していました。調べると確かに彼女の誕生日は1871年3月19日であり,皇太子ルドルフと心中したときにはまだ18歳の幼さの残る少女であったことになります。皇太子ルドルフも罪なことをしたものです。

 ルドルフとマリーの悲劇的な最後が物語を印象付けますが,後日譚としてはジャン・サルヴァドール(Johann Salvator von Österreich-Toskana)とミリー・ステュベル(Ludmilla "Milli" Stubel)の二人も1890年には航海旅行の途中で遭難し行方不明になります。フェルディナンド大公(Franz Ferdinand von Habsburg-Lothringen)も皇太子になった後,1914年6月にサラエボで妻と共に銃撃で暗殺され,第一次世界大戦のきっかけになったことが歴史に記録されています。柚香光さん,水美舞斗さん,永久輝せあさんが演じた3人は,いずれも天寿を全うすることなくハプスブルグ家の崩壊に殉じたことになります。運命の皮肉でしょうか?三人三様の悲劇的な人生を振り返ると諸行無常を感じます。

 暗澹たる気分になるお芝居でしたが,第2部のショー『Enchantement -華麗なる香水-』は心晴れやかに爽やかな気分に回復してくれました。盛りだくさんな内容でしたが,特に第6章の森の娘さんと若い水兵さんたちの青春賛歌“Woody & Marine”のシーンが好印象でした。都姫ここさんが元気に踊り歌う姿を最後に目に焼き付けることができて幸いでした。