ミュージカル『キングアーサー』を観る | to-be-physically-activeのブログ

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 3月4日にミュージカル『King Arthur』(ホリプロステージ)の愛知公演の夜の部を観劇しました。1月12日に新国立劇場(中劇場)で始まった公演も,地方公演を経て3月5日で大千穐楽です。本作は,ドーヴ・アチアさんがフレンチミュージカルとして創作された作品で,すでに2016年に宝塚月組で『アーサー王伝説』のタイトルで上演されています。月組では珠城りょうさんと愛希れいかさんがそれぞれアーサーとグィネヴィアの役を瑞々しく演じていました。基本的な物語の流れと楽曲の多くは7年前と相似ですが,今回の再演では,韓国版を手がけて好評だった演出家オ・ルピナさんを招聘して,個々の登場人物の個性を際立たせて感情の変化を丁寧に描いた意欲的な翻案がなされており,新たな装いに生まれ変わった『King Arthur』を楽しむことができました。

 当日夜の部の主な出演者は,

 アーサー:浦井健治

 メレアガン:伊礼彼方

 ランスロット:太田基裕

 グィネヴィア:小南満佑子

 ガウェイン:小林亮太

 ケイ:東山光明

 マーリン:石川禅

 モルガン:安蘭けい

でした。

 ケルト民族の征服戦争を描いたドラマなので,随所に中世の騎士達の戦いのシーンが挿入され,ケルト伝説ならではの妖精たちが登場するシーンも斬新で,激しい擬闘やアクロバット的な群舞によるパワフルな舞台演出が魅力的でした。今回の振付を担当したのはKAORIaliveさんであり,身体能力に秀でたダンサーたちの個性を活かした独創的なダンスシーンを堪能できたことも収穫でした。

 今回の舞台では愛と憎しみの相克が大きなテーマの一つですが,モルガン役の安蘭けいさんとメレアガン役の伊礼彼方さんのために多くの見せ場や楽曲が用意されていて,運命に翻弄され敗者となったメレアガンや愛する家族を奪われて怨みに燃えるモルガンの心の痛みが丁寧に描かれていた点も好感を持てました。怨みの心情に深く切り込んで表現するのも韓国人演出家であるオ・ルピナさんならではのオリジナリティーだったように感じます。

 3月5日が大千穐楽です。東京公演開始早々にはコロナ禍による休演もありましたが,なんとか完走できそうでよかったです。