第十二章
14)リスキリングで資産価値数値化A
社員の資産価値の試算手順
①資産業務と経費業務をまず区別しよう
・資産業務とは、財産として見えること
が前提で、尚且つその財産が蓄積され
ること、それが一定期間継続されるこ
とと、ここでは仮に定義します。
・一方で経費業務とは、財産として定義
するほどの内容でない業務、またはそ
うであるが故に、その業務を蓄積した
り、継続、改善する必要があまり無い
と考えられる業務です。一般的な作業
だけの業務が実はこういうものが多い
でしょう。
・具体例で言うと、例えば、
物販(ものを販売する業態)の場合、
単に店番をしており、お客様が来店さ
れて接客なく販売し、レジでお金をも
らうような単純な業務は、経費的業務
と言えます。例えば、コンビニにはス
-パーでのレジ専門業務はそれにあた
ります。会社側がらみてもその業務に
かかる人件費は、経費であってそれ以
上のものではありません。会計上はあ
くまでも、人件費にしか過ぎません。
マニュアルとおりにレジ業務ができれ
ば良いのであって、それ以上の業務で
は、ありません。それは作業です。
・サービス業の場合、例えば、ホテルの
フロント担当者の仕事でも、チェック
インとチェックアウト、予約受付や外
部からの問合せ対応するだけの場合、
やはり人件費に過ぎません。この場合
も作業にしか過ぎません。
・従って、以上のような業務の場合、こ
こでは、経費業務であり、「作業」と
呼ぶものとします。アルバイトや派遣
等で時給基準の業務の大半はこの経費
業務に相当するでしょう。
・一方、フロント業務の場合、もし馴染
み客の氏名とくせ要望を暗記しており
それに応じた接客ができる従業員の場
合、顧客のリピート化が可能となるの
で、「仕事」に分類できます。資産価
値のある仕事です。
もし、そのフロント係がプログラミン
グや、多言語対応できる場合、その費
用と比較も可能です。
・そして、資産価値ある業務は、資産と
して見える化に挑戦します。そして、
下記の手法で数値化してみます。
a)外部委託計算比較計算法
そのようなサービス専門業者で行う
場合、現状の人材で行う場合と比較
そのような都合の良い業者があった
場合のみ可能
b)他者引継原価計算比較法
自社の他部門からの人材で対応した
場合、或いは新規に人材募集した時
と現状の人材での対応を比較
・他部門から調達した場合その後に
必要な引継ぎと教育費用が必要
・新規に募集した場合、募集採用に
関わる費用と引継ぎ費用が必要
c)機械化自動化計算比較法
ロボット等の機器で完全に置換可能
な場合と比較
・そのような機器があった場合のみ可
d)対象業務人材価値計算法
現在実際にその業務担当者を過去か
ら未来に渡ってその資産価値を試算
した上で、上記a)b)c)と比較する法
(参考)日経新聞のサイトから抜粋
まず「資産」の見直しです。とはいっても
金や土地といった「有形資産」ではありま
せん。「無形資産」を棚卸しするのです。
従来の人生設計を見直すべきだとの内容で
ベストセラーとなった英国の学者リンダ・
グラットン氏らの著書「ライフ・シフト」
この中で無形資産には以下の3つがあると
記しています。
①生産性資産
仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見
通しを向上させるのに役立ちます。例えば
語学やプログラミング、統計処理などがあ
てはまります。
②活力資産
これは肉体的・精神的な健康と心理的な幸
福感・充実感から形成されます。健康な状
態は何もせずに維持されるわけではなく、
適切な食生活や定期的な運動を重ねて形成
されると考えましょう。
③変身資産
これは人生の途中で変化と新しいステージ
への移行を成功させる意思と能力を意味し
ます。人間は年齢を重ねるとどうしても生
き方や働き方が固定化されていきます。
そのため、日々の行動や考え方を変えませ
ん。この変わらないことによる安定には大
きなリスクが潜んでいます。(日経抜粋)
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第十一章
13)リスキリングの資産化視点化の効用
①資産とは何か
最初に、会計上の資産の概念を理解して
みましょう。一般の概念とは少し違いま
す。下記のサイトの説明を読めたとして
まだ、判然としないと思います。
その理由は、会計上では借金も財産かの
ような扱いになっているからです。
資産=資本+負債
この式の負債の部分は借金などに代表さ
れ、買掛金(仕入商品の未払い額)など
があります。通常の概念で財産=資産と
考えた場合、借金のようなものは財産と
は言い難い感覚があるかと思います。し
かし、会計上では借入金も資産に属しま
す。
②リスキリング上でいう資産とは
それは従業員が有している人的資産のこと
であるとここでは定義します。従業員は、
通常有形の財産を会社に提供することは
ありませんので、実際には人的資産と言わ
れてもあまり実感がわかないはずです。
従業員の有している技術や技能や経験や知
識はモノとして存在していないので人的な
ものという修飾語が付いた資産というのは
分かりにくいものです。
従って、人の資産的価値は最初に見える化
即ち、モノのように認識できるような工程
が必要となります。例えば、ノウハウや人
脈やアイデアの見える化です。次に、その
価値の数値化です。
①
ノウハウ・コツ及びアイデアの見える化
・マニュアル化、プログラム化、アプリ化
における実際の成果物を披露
・ユーチューブ等のSNS上で公開、電子書
籍化、資格化、特許アイデアレポート集
ビジネスモデル日誌の一部の公開
・これらに基づく、その会社で転部或いは
他社に転職した時の有用性を示した内容
エピソード
②
経験・資格・学歴・能力人脈の見える化
・履歴書経歴書・エントリーシートに添付
する証拠(賞状・成績証明書・修了証等)
・自分の特長差別化された能力を強調する
A4枚に三点のみ記された自己セールス
レター(履歴書に添える書面)
・自分のハンディキャップとなる部分を分
析し(例えば、年齢・学歴などに難があ
る場合、それを補填する内容を告知する
もの(例えば、具体的な読書歴、蔵書数
投稿数による学習歴の証明、健康診断書
と毎日している脳トレ、筋トレ、健康年
齢を示すものなど。)
・自分の過去と現在と未来の人脈図の公開
③
それらを具体的な資産価値に算定し数値化
後述予定。➡第十二章へ
そのような工程を踏むことで、人の資産価
値を検証し、リスキリング投資への費用対
効果を確認し、どのようなリスキンリング
を個人として、或いは会社として進めるべ
きかを判断すべきでしょう。

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第十章
12)リスキリングを「資産」視点で再考
前章でリスキンリングの範囲を個人の視点
から会社側の視点で見た場合の問題を提起
しました。
個人が自分の将来を考えて、個人的にリス
キリングするのは賢明なことでしょう。
しかし、会社側が会社の利益を考えて社員
にリスキリングをする場合は、会社側は次
のように考えるでしょう。
①
行政の補助金等でリスキンリングを社員に
行う場合、やはり、その費用が少なくとも
30%はかかります。そして、その効果は
どの程度会社に対してあるだろうかと?
まず、リスキリングの時間は会社負担の時、
会社はその費用と時間の両方を負担するこ
とになります。そして、リスキリングの効
果は保証されていません。また、その結果
そのリスキリング効果として能力の高まっ
た社員は、現在の会社より良い条件の会社
に転職するかもしれません。
大企業はともかく、中小企業の場合にこの
ような観点で考えると、リスキリングによ
って会社の利益に還元することはそんなに
簡単ではありません。なぜかというと、そ
んなところに費用と時間を投資する前に、
派遣やアルバイト、中途社員の採用によっ
て解決できるはずだからです。
大企業の場合は、現在、実質遊んでいる人
材、或いは近い将来リストラ対象になりそ
うな人材を再生させる意義はあるかもしれ
ませんが、一般の中小企業にはそんな余裕
はありません。それをするより、既にその
ようなスキルを有した人材を採用した方が
早いし、確実だからです。
そう考えると、リスキリングを社員にさせ
る会社は、補助金があたっとしても実行す
る会社は少ないでしょう。
しかし、敢えてそれでも会社としてリスキ
リングをすべきだととしたら、どういうケ
―スが考えられるでしょうか?
そのヒントが、人の資産化視点の導入です。
どういうことかと言うと、人を会社の資産
として捉えた上で、リスキリングを行えば
という提案です。
現実に、会社は従業員を「資産価値のある
従業員」と「経費的価値しかない従業員」
とを区別して募集、採用しています。即ち
会社に継続的に利益をもたらすような仕事
をしてくれる社員=会社にノウハウや顧客
などの蓄積してくれる社員と、それを期待
していない社員ということです。
経費的社員は、ほとんどの場合代替可能で
あり、外注や派遣で賄えます。しかし、資
産価値のある仕事の社員はあまり代替が効
きません。従って、そのような資産価値の
高い社員を要請するためにリスキリングを
行うとしたら、このリスキリングは大いに
意義のあるものになるでしょう。
そこで、筆者からの提案です。会社側も従
業員も共に、会社を資産の形成の場にして
しまえばよいのではないかという提案です。
労使双方がもし何らかの方法でそのような
ことが発見できれば理想的なリスキリング
が可能となります。さもなければ、名ばか
りのリスキリングとなるでしょう。
aaa.
それでは会社にとって社員のリスキリング
による資産化とはどういうことをいうので
しょうか?
bbb.
一方で、従業員にとって自分が会社で働く
ことで、或いはリスキリングすることで、
自分自身の資産化をはかるとは、どういう
ことでしょうか?
労使双方共に、そのための時間や費用がか
かりますが、それに見合う効果が双方にあ
る方法とは、どういう方法でしょうか?
そのヒントを、次章から提案して参ります。
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第九章リスキリングの範囲を再考
11)リスキリングの範囲を再考
今まで第一章から第八章までの中で述べて
参りました内容は、基本的にリスキリング
を個人的に行うことが前提でした。
即ち、一個人が現在在籍する会社でリスト
ラされないため、或いは昇格するため、又
他の部署に転属するため、そして副業や転
職、起業独立までを考えていました。
しかし、その一個人がリスキリングを行う
よりも、会社として行うための制度が行政
からも推進されています。実際、前向きな
人材は自分の将来を考えて既にそのような
スリルアップは日々されているはずです。
問題は、それに気がつかない、気がついて
はいるけど、どうしたら良いか分からない
人やこのようなことに、無関心或いは知っ
てはいるけれどもあえて、何もしない会
社もたくさんあるでしょう。
そこで、今回からは会社視点で考えたリス
リングを考えてみます。この会社視点で検
検討した場合、まずは助成金や補助金にか
らめての様々なリスキリング用スクール等
の活用がまず検討してみてはどうでしょう
か?
ホワイトハッカー育成コース | セキュ塾 (heatwavenet.co.jp)
働きながらホワイトハッカーになれる- 経済産業省リスキリング支援事業 (heatwavenet.co.jp)
会社視点で考えた場合、それは会社の経営
者の立場、人事部の立場、各部署での立場
が考えられます。
そして、その立ち位置や競合関係により、
どのようにリスキリングをとらえるかは、
変わります。
例えば、その前提として次のような様々
な考え方を考慮する必要があります。
・能力アップして、会社に貢献して戴く
・能力アップされて、転職されてしまう
・能力アップされて、自分の仕事を失う
・能力アップされて、仕事が円滑に進む
・能力アップのために、より経費が必要
・能力アップして、売上や利益が上がる