夜の町は、しんとしている。

星がいっぱいにまたたいていた。

ぼくは草むらにねころび、空をながめていた。

ピカッ!

空に、見たことのない光。

赤、青、白、くるくる回りながら近づいてくる。

「飛行機? 流れ星?」

いや、ちがう。

光は空にぴたりと止まった。

ぼくの心臓がどきんと鳴った。

音もなく、すべるようにゆっくり降りてくる。

丸い円盤みたいなもの――。

「U…F…O……!」

ぼくは声にならない声をもらした。

恐怖で体が動かない。

でも、目をそらせない。

空気がびりびり震え、髪の毛が逆立った。

光がぼくを照らす。

夜なのに、昼みたいにまぶしい。

「つかまる…?」

涙が出そうになる。

そのとき。

UFOは、すっと空へ舞い上がった。

そして、信じられない速さで、星の中へ消えていった。

しんとした森。

残されたのは、草の上に広がる不思議な輪のあと。

さっきまでの出来事が夢みたいだ。

恐怖でいっぱいだった胸に、ふしぎな感動が広がる。

「ほんとうに…いたんだ」

ぼくは夜空を見上げた。

星はなにごともなかったようにきらめいている。

でもぼくは知っている。

あの光のむこうに、ぼくらの知らない世界があることを。

                    またね