森のはずれに、

ちいさな虫が いました。


その名も

「よわむしむし」。


「ぼく、こわがりなんだぁ…」


ちょっと風がふくと

「ひゃっ! たいふうだぁ!」


ちょっと葉っぱがおちると――

「ぎゃっ! いしが おちてきたぁ!」

よわむしむしは、

なんでも こわがって しまいます。

ある日。

仲間の虫たちがいいました。


「よわむしむし、いっしょに あそぼ!」

「えっ? でも…ころんだら いたいし…」

みんなは くすくす わらいました。

「だいじょうぶだって!」


しかたなく よわむしむしも、

ちょっと でかけることにしました。


すると


ぴょん!

カエルが とびだしました!

「ひゃぁぁぁ! おおがえるモンスターだぁ!」


でもカエルは ぴょこんと いって、

「ただの あいさつだよ。びっくりさせて ごめんね。」



つぎは

どさっ!

大きなかげが せまってきました!


「ぎゃぁぁぁ! くまおばけぇぇ!」


でもそれは、

おおきな せんせいカブトムシ。


「おはよう。こわがりやさんだね。」

と、やさしく わらいました。


その日、よわむしむしは 気がつきました。


「ぼく、こわがりすぎて、

なんでも おばけや モンスターに みえちゃうんだ!」

でもね

「ぼく、よわむしだから、

みんなより たくさん ドキドキできるんだ!」


そう思ったら、なんだか ワクワクしてきました。



その日から、森の仲間たちは いいました。


「ねぇ、よわむしむし!

きょうは なにに ドキドキした?」


よわむしむしは えっへんとこたえます。


「きょうは、ちいさな ちょうちょが かぜにゆれて、

ドラゴンに みえたんだ!」


みんなは 大わらい。

よわむしむしは よわむしのまま。

でも

森じゅうを いちばんたのしく みている、

とくべつな虫でした。

                 おわり