黄昏時の遊園地 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

黄昏時の遊園地


夕暮れの 遊園地
  見上げた ブランコに
   たくさん人が乗っている

地に 足のつかないそれが
  いかにも 楽しい様子だ
   明るい音楽が 切なく響く

みんな 浮かんでいたいんだ
 括りつけられることなんかなく
  出来うることなら 大人になんか
   なりたくもないし なりたくなかった…

責任も 義務も放棄して
 暮れそうで 簡単に暮れない
  黄昏にいつまでも ぶらぶら
    ゆらゆら…

宇宙だけ見つめて 揺れていたい
 回るだけなのは 心外だけど 
  遠心力で もっと遠くへ 飛べるかも…

 などと 淡く儚い祈りを持っているように
みえた…

機械の軋みが 悲しくて 
 胸が 痛くなりました…
  あなたも あなたも しあわせでいて
 それが無理ならせめて あたたかくして

北から 寒波が来る予測 外れてしまえ…
  そう小さく呟くわたしは
  あたたかくならない コートに
  顔を埋めた…