晴れ間を突き抜け | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー晴れ間を突き抜けー

草原を見ると
走りたくなる

転ぶから…と
注意されても

草塗れで転がって
草間から
顔を上げたら

君は笑い転げた…
うさぎみたいだと…

君が笑い転げてどうするの?

わたしは野生児だから

野を駆ける
山を駆ける

息 咳切って
裸足のままで

草と足の僅かな接点だけが
わたしと
地球を結んでいて
わたしは飛ぶよ!

見てて!
見てて!

ほんとうに飛びそうで怖いと
わたしの手を
ぎゅーと
握る君を
連れて

わたしはいつか
飛んで見せる!

6月の梅雨の晴れ間
雲の隙間の青空に…

殊更 深い青空に…
雨で洗われた青空に…