ー贋作 短歌ー
美しく欺き通す言の葉の
枯れることなき造花開きぬ
すれ違ふおもひおもはくあるがゆへ
真っ直ぐならじ会話の道は
昨日今日知りたる仲に無きこそが
いと難しき親しき礼か
手慰み折り鶴などを折りてみれば
醜き鶴の出来上がりたる
曲線も破線も色もだれのもの
真贋贋作そはどこにあり
立てぬものを立てて見すれば
我も我もとコロンブスの卵たち
静謐に真価を問へば答ふるは
人にはあらじただ己のみ
芸術も文学もまた音楽も
焼き直しては色増さぬのか
良きならば素直に良きと言ふことを
罪悪といふ世の不思議さよ
きよらかにきよらかにただありたくて
古代の人の言葉を借りる
わたしに 足りない頭ならば
わたしに 足りない感性ならば
むかしの人に教えを乞い
むかしの人に額づこう
それを恥だと思う心が
あるうちはきっと 新しいものは
生まれない…
神よ…あなたは知恵を授けてくれた
習い学びといふ…
感謝します
この駄作のやふなわたしに…