落城 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー句ー

地震(なゐ)起こる梢緑を揺るがして

ー落城ー

横顔の遠い目の
君を見るのが一番辛い
一番辛いと口に出したい

君の心はもはや飛び去り
側にあって側にいない
姿形は君だけれど
側に居るのは君のヒトガタ

翳り行く淡い日々
わたしと過ごした日は悪夢となって
鷽に任せてしまうつもりか

鳴きながら鳴きながら

心の翼を追う術は無い
一日千秋 重ねた想い
ついぞ前まで燃やした想い
焦げ付くように焼け落ちてゆく

落城 落城
今宵 落城

ふたり誂え拵えた
秘密の城が
今 燃え落ちる

君の心の真ん中を
射抜いていった
敵の大将

女伊達らに良い腕前と
悔しいけれど
感服をして

わたしは城と
さだめ共する

⭐️いつの時代も恋愛は女にとって戦
失恋をしてしまった後輩が
お見舞いに来てくれて
わたしが見舞いをする羽目になる

この詩はそんな彼女に向けた詩
もっともひとつ落城させても
再生する強さを持つのが女性の
強さの所以。

次の高みを目指せ!

鳴兎   拝

ーうたー
地響きを鳴らし大地を揺るがする
恋終えし日に地震(なゐ)
起こりたり