ある焼き鳥屋の親父はとても頑固です。
いまどきウィスキーはトリスしか置いていません。
何十年も同じメニューで
焼き鳥各種のほかは、野菜焼きとお通しのキャベツのみ。
他のメニューはおろか、漬物もご飯もありません。
そうそう毎日来る常連客のために
季節の魚を串に刺して焼きます。
秋刀魚だったら半身を竹串に巻くように刺して焼いています。
そして無愛想という程ではないけど
ほとんど無駄口をたたきません。
お愛想など皆無ですね。
毎朝サラリーマンと同じ時間に来て
鳥を捌いて串打ちしています。
掃除とかはちゃんとやっています。
焼き鳥は手間が掛かっているので
酒を飲んでくれないと儲からないといいます。
入念に焼いています。
カウンター8席くらいの小さな店なので
忙しい日の売上もたいしたことはありません。
客が数人しか入らないこともあります。
マーケティングなどゼロの店です。
常連がいるので潰れることはないでしょう。
しかし発展することは難しいです。
そもそも発展することは考えていないようです。
しかし売上が少ないといって落胆する姿は目撃しています。
作りすぎた焼き鳥が無駄になるのです。
ただ美味しい焼き鳥を作ることによって打開しようとしているのでしょうか?
工夫して売上を上げようという意識がないのでしょうか?
話を聞くと企業経営的なものや商業的なものに関心がないようです。
スタバの女の子たちの笑顔や接客がいいという話をしたら
心のこもっていない笑顔は無意味だと言い切ります。
私なぞそれでも無愛想な店よりいいのになあと思います。
でも本人は確信を持っているみたいです。
常連客とは分かり合えているのかもしれません。
そういう自信があってのお言葉でしょう。
そうそう客と対等だと思っていると言っていました。
まあちょっとドラマに出てきそうなキャラですが
客を選んでいるのは間違いありません。
客はイヤなら行かなきゃいいのです。
一人でやっているからあまり責任もなくて
好きにやれるのかもしれません。
逆にそういう性格だから一人で始めたのかもしれません。
チェーン店の飲食店の
マーケティングだけのような店と比べると
好対照なので考えさせられるところはあります。
ちょっと極端なので上手くいっていないのですが
価値あるものを提供するという信念は大事ですね。
そんなことを考えずに商売している店も多いですから。
しかしそれと同じぐらい感謝の気持ちを表現することは大事です。
気に入らないお客であっても
わざわざ来てくれたという事実には変わりありません。
意見されたとしても素直に聞くという度量がないと
自分自身はもとより商売を狭めてしまいます。
常連客だからこそ、あえて言ってくれないことも多いかもしれません。
私だったら少なくとも
仕込んだ焼き鳥は毎日売り切る
ビジネスモデルにシフトします。
客に媚びなくてもいいのです。
もっと間口を広げる工夫があれば
いいだけですね。