こんにちは!
Beyond Pacific LLCのたいきです!
今回は運動学習シリーズ第3弾であります。
前回の記事で、ヒトがどのようなプロセスを経て刺激に対して反応するかというのがなんとなく分かって頂けたと思います。
ダチョウ倶楽部の上島さんのリアクション芸の場合、
目の前に熱々のおでんがでてきたらこういうリアクションをとるのがベストなパフォーマンス!というのが彼の中で情報処理のシステムが出来上がっているのでは?という話をしました。
それでは、今回は彼がそのベストのパフォーマンスを行えなくなってしまうかもしれないケースについて考えてみましょう。
キーポイントになるポイントは反応時間と反応選択肢という用語です。
これがわかるとインストラクターの効率の悪い指導法と生徒さんの効率の悪い練習法の原因の一つがお分かり頂けると思います。
それでは、今回は上島さんのリアクション芸の状況を少し変えてみましょう。
今回は収録時間が押しているもしくは限られた時間の中で上島さんがリアクション芸を行わなければ行けないということにしましょう。
今回も彼の前にはカーテンがあり、その向こうにある何かでリアクションを取らなければいけないとします。
今回でてきたのは…!
3つ!!!
熱々おでん、ザリガニ、熱湯風呂!!!
上島さんの脳:「!!!!!!!!」
1. 熱々おでん→羽交い締めにされておでんを乳首に当てられてのたうち回る
2.ザリガニ→出川と絡んだ後、彼にリアクションを譲るかザリガニに自分の鼻を挟んでもらって悶絶
3.ふんどし一丁になって熱湯風呂に突っ込んだ後のたうち回る
きっとこんな感じで彼の中にはそれぞれのお題に対するリアクションは用意してあると思います。
しかし脳は
『でもその中のどれを選べばいいんだ?????』
『うおおお考える時間がなーい!!』
とこのようなことを考えるのではないでしょうか。
まあ、多少なりとも一瞬混乱してしまうのではと思います。
テストもそうだけど、時間って言う制限とか回答の選択肢が多いとパフォーマンスって下がるんだよね。
時間っていう制約がなくて選択肢が1つだけだったらヒトはベストな対応ができるんだけど、そうでない場合は入力しても刺激同定→反応選択→反応プログラミングという処理の反応をおくらせることになるわけです。
それではその原理を理解するために、Hick’s Law(ヒックの法則)をご紹介します。
この図は反応時間と反応するための選択肢の数の関係を表しています。
上にいくほど反応するための時間が多くかかり、右にいくほど選択肢の数が増えるって感じ。
選択肢の数が多くなればなるほど反応時間がよりかかるというのがわかりますね。
なのですが、
注目すべき点は選択肢の数が1から2に増えたときに反応時間が最も大きくなるということです。
選択肢が多ければ多いほど反応時間が長くなるってわけではなくて、反応時間は長くなるけどその度合いはどんどん小さくなっていくって感じ。
仮に、先ほどのケースで上島さんの前にもし熱々おでんとザリガニだけおいてあったら、彼は先程よりももっと反応のための動きだしが遅くなったのではないかと思います。
実際のところは上島さんの脳みそに聞いてみないとわかりませんが、
熱々おでんとザリガニだったらどっちがより良いリアクションを取れるかを考えてしまい反応するまで時間がかかってしまったのではと思います。
その時間が長ければ長い程、笑いを取るという彼のパフォーマンスは下がってしまう場合があると考えられるのです。
それでは、今回のケースをゴルフレッスンとゴルフの練習に置き換えてみましょう。
ゴルフのレッスン中、やる気のあるインストラクターほど自分の生徒さんのスイングをよりよくするために頑張ります。
でも、そういうインストラクターから習っている生徒さんがよく言うのは
「1つ聞いたら10以上コメントが返ってきて何がなんだかわからなくなる」
ということです。
でも、インストラクターの人に教えすぎじゃね?って聞くと
『自分は質問されたことに対して1つの答えを提案したつもりだったんだけど…』
と言います。
この教える側と教わる側の認識の違いはなんなのでしょうか?
それはインストラクターがアドバイスしたことに対する補足の説明に対しても生徒さんが真剣に聞き過ぎていることから起こります。
特に日本人の生徒さんはインストラクター(先生)の言葉を真面目に聞き、先生がおっしゃったことを100%理解した上で彼の指導の通りの動きをやろうとする傾向があると僕は感じました。
例えば、あるの人が未熟だったときのタイキレッスンを受けたとします(今も十分未熟だけどね)
タイキはこの人のバックスイングに問題がある!と思い以下のアドバイスをしました。
1.バックスイングを振り上げるときはこっちの方向!
2.そのとき手首を縦に折る!
3.肘はこんな感じで!
4.その結果トップの形はこうなる!
そしてその上それぞれの動きをやっているときの他の体のパーツがどう動いているかの補足の説明をしました。
それを聞いた生徒さんは大概どういう反応をするでしょうか?
大体の人がこんな感じです。
↓
「うおおおお本当だー!!今までやってた体の動きが間違ってたからプロみたいなスイングができなかったんだ!!!」
「これさえできれば自分もプロみたいなスイングができる!!」
で、彼はさっきタイキが教えた1~4を言われた通りのことを実行しようとします。
…
全然当たらなくなった。
「いやそんなはずはない!」
「ハッ!!」
「そうかそういえばさっきの補足の説明で先生がおっしゃっていたことをやっていないじゃないか!!!」
「これだー!!!」
「ぎゃああああああもっと当たらねー!!なんでだー!!!」
で、全く当たらなくなったところで先生である未熟タイキがトドメ一言を言います。
「当たらなくなったのはおめーの練習不足。当たるようになるまで頑張って練習してこい!!」
先生がそうおっしゃるんだったら、きっとそうなんだ… 頑張って練習しよ。。
この経験はゴルフレッスンを行った人、受けたことある人はほとんどあると思います。
ていうか、これはある種のゴルフスクールあるあるだと思います。
あるあるだから仕方がないって思う人もいると思いますが、前回と今回の記事をちゃんと読んでくださった方は未熟タイキのレッスンの何が問題だったかなんとなくでも掴めたのではないでしょうか。
未熟タイキのレッスンの問題点は
・一度のレッスンに指摘した問題点が多すぎる(選択肢が多すぎた)
・補足の説明まで生徒さんを真剣に聞かせてしまった
・生徒さんの情報処理システムが対応しきれない状況を作った
主にこの3点です。
ゴルフスイングって一瞬だよね。
それなのに考えることが多すぎる(選択肢が多すぎる)と
→情報処理しきれない → 反応が遅くなる → パフォーマンス低下
ってなっちゃう。
じゃあ考えることを減らせばいいのか!!といったらその通り。
でも、Hick’s Lawで最も重要なことは反応時間が最も長くなるのは選択肢が1つから2つに増えたとき。
だからインストラクターは数多くある選択肢の中からちゃんと何をいうかを考慮にいれて指摘しなければならないのです。
もしもインストラクターの教えるポイントが適切だった場合、いくつかの指導で以下の動画の方のようにスイングが一回のレッスンで一気に変わります。
皆、こうなれば最高だね!笑
そんなわけで、今回の記事のポイントは
考えることが多くなりすぎちゃうと頭の中の情報処理が適切に行われずパフォーマンスが下がっちゃうよ!っていうことになります。
ハッキリ言ってパフォーマンスが低い状態でいくら練習しても良くなりません。
へっぽこ球を打ち続けても良いフィードバックは返ってこないので本番に生かせることの習得は難しいと考えられるからです。
なので、教える側も教わる側も要点を絞って課題に取り組むようにしましょう!
それでは次回の運動学習シリーズで書かせて頂こうと思うのは
・時間と情報処理をもうちょい詳しく
・運動パターンの自動化
・ドリル練習はマジで効率悪い習い方
・練習方法
・スキル学習について
・運動プログラムの理論
のどれかかな。
とりあえず書いておけば書く気になるでしょう。。
あ、でも多分次回の記事にはゴルフとゴルフトレーニングについてちょこっと書きます。
それでは今回の記事は以上になります。
長文・駄文失礼致しました。
たいき






