シャフトにかかる負荷と飛ばしの関連性 | 宮崎太輝のグローバルスタンダードゴルフ!

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NY出身のティーチングプロ/トレーナーであるタイキが、日本のレッスン業界を面白くするために始めたブログ。日本とアメリカ最先端のゴルフレッスン/トレーニングの違いを教えてあげちゃいます;)

こんばんは!

Torqueのたいきです!!

今回書かせて頂こうと思うのは、なぜ日本人は他の国の人達に比べて飛ばないかついての考察です。

まず、前々回紹介させて頂いたシャフト中にかかる負荷のグラフをみてみましょう。



このグラフをみて前々回の記事を読んできちんと理解した人なら

ダウンスイング中、このスインガーは徐々にシャフトに負荷がかかっていっているというのがわかったと思います。

それでは一つ、ピーツ(例のゴルフ屋さん)にいるクラフトマンの人たちが当たり前に知ってることを教えてあげます。

このような波形をしてるスインガーは

100%飛ばない

ってことです。

ゴルフのレッスン書やTV番組ではよくこんなことをいってます。

ボディーターンが飛ぶ!

ゆ~っくり上げて、素早い切り返しで飛ばせ!

とかって書いてあったりするんですが

今の僕なら断言できます。

それじゃあ飛ばないよ、って。

じゃあどんなのが飛ぶの?

って聞かれたらこっちの画像みたいな波形をだせるスイング!といいます。



このグラフですが、カークは動画の説明を分かりやすくするために敢えてゆっくりクラブを振ってこんな感じの波形になりました。

なので本当に飛ばすやつは余裕でこのグラフから波線がはみ出ます。

ボールを遠くに飛ばす才能がある人たちは、それだけスイング中にシャフトに負荷をかけているということです。

逆にいうと、シャフトに負荷をかけられる人でないと飛ばせないということにもなります。

なので、ゴルフ雑誌やレッスン書でよくいわれる

『手や腕を使わないでボディーターンして飛ばせ!』

という指導では飛ばせないってことです。

道具の使い方という観点からみると、

シャフトに負荷をかけるというのは新たな飛ばしの要素の一つになります。

そしてこれについて考えるとゴルフの飛ばしに関する取り組み方について考え直すことができます。



それでは簡単に日米のゴルフのスイング作りの取り組み方の違いを見てみましょう。

前回の記事で、Jamesは『ジュニアゴルファーは曲がってもよいから軽いクラブでできるだけ速くクラブを振るべき』と言っていました。

つまり、あんま形にこだわらないでとにかく早くスイングしろって指導するわけです。

アメリカ人の子供たちは形にこだわらないので、普通にスイングスピードが速いです。

それに対して日本の子供達は徹底的にフォームを教え込まれます。

なのでそんな子供達は、プロ顔負けの綺麗なスイングをしているわけです。

その代わり皆死ぬほど遅いスイングしてます笑

向こうのコーチやクラフトマンが良く言っていたのは、

『飛ばしのセンスを養えるのはやっぱり子供のとき。ボールを曲げなくすることはあらゆるアプローチがあるので簡単だが、飛ばしのセンスに関してはそうはいかない。飛ばすための『何か』は子供のときに取り掛かるべきだ。』

ということでした。

ではその『何か』とはなんなのか?

身体の使い方ということだったらこのブログで紹介した『飛ばしの要素』でしょうけど、子供にそんな科学的なことがわかるわけありません。

子供がわかることといったら、強振したときのシャフトのしなりなどのフィーリングだと僕は考えています。

そしてセンスがある子は飛ばすためにシャフトのフィーリングをちゃんと養っているのだと思います。

早い時期から飛ばしの感性を養えている子とそうでない子供は大きくなってから特別なトレーニングを受けない限り、飛ばしに大きな差がでてしまうって感じです。



NYにいたとき、僕は多くのスポーツ選手とゴルフで遊んできました。

あらゆるスポーツの中で、ぶっちぎりで飛ばすことのできる人種が2通りいました。

それは野球のピッチャーの人たちとホッケーの人たちです。

僕の勝手なイメージですが、ピッチャーの人はX-factorからFluidityまでの身体の使い方という観点での飛ばしの要素をフル活用してスイングしてボールを飛ばしていた印象があります。

そしてホッケーの人はパックを打つときに思いっきりスティックに負荷をかけるんだと思うんだけど、

その負荷のかけ方をゴルフクラブでやってボールを飛ばしていたのではないかと思います。

まあそう考えたら野球選手がバットにかける負荷に関しても同じなのかなと思うんですけど、ホッケーをやっていた人は背が低い人でも鬼のように飛ばしていたので書いてみました。

じゃあそいつらってどのくらい飛ばしてたの?

300Yくらい??

NO!!

ヤツ等は340Yくらい軽く飛ばすのです!!

それだけX-factorなどの身体の使い方とシャフトに負荷をかけるということ2つの要素が飛ばしに大きな影響を与えるのだと僕は考えています。

じゃあ日本の選手ってどうなの?

僕の日本の選手に対する率直な印象は、

スイングに制限をかけすぎて自分からスイングスピードを落としてしまっている



シャフトに全然負荷がかからない身体の使い方をしてる

だから飛ばない!!

レッスン書でもTV番組でも『~しちゃダメ』とか『~しないように気をつけて』っていうネガティブなフレーズが多いと思います。

何かに気をつけながら振って、飛ぶわけねーじゃん。。

こちらのプロの動画を見てみましょう。

こちらの方はTGFの鈴木真一コーチがご紹介してくださった三重県からお越しの多一プロです。



彼はあらゆる『~しちゃダメ!』という指導法を元に今までスイングを組み立てこられたようです。

なのでBeforeのスイングは色々と制限がかかっていたため綺麗でしたが躍動感が少なく、あまり飛ばなそうだなぁという印象を受けました。

そこで彼のスイングに足りなかった身体の動きに関する飛ばしの要素をどんどん加えていき、結果的にシャフトにかかる負荷の度合いをたぶん変えることができたと思います。

実際には測ってみないとわかりませんが、飛距離もシャフトにかかる負荷の度合いもかなり変わったはずです。

今度はバケモノことSenichiroです。

先日ラウンドレッスンにいってきました。



彼も身体に関する飛ばしの要素をスイングに取り込んでいってシャフトにかかる負荷の度合いを変えられたであろうゴルファーの一人です。

それで彼は元々プロの間でも飛ばし屋ですが、以前よりももっと飛ばせるようになりました。

このティーショットも350Y以上飛んでました。

で、彼は飛ぶ代わりに曲がるかといったらそうでもありません。

クラブが以前よりも自然な動きをしてくれるようになったので、飛んで曲がらなくなりました。

多一さんとSenichiro、どちらも身体と道具の飛ばしの要素をスイングに組み込むことができたので飛距離が伸びたと僕は考えております。

そんなわけで今回のまとめは

・『ボディターンで飛ぶ』はウソ。
・シャフトに負荷がかかるようなスイングは飛ぶ。
・アメリカの人たちが飛ばせるのは子供の頃からシャフトに負荷のかけ方を養っている。
・身体と道具の飛ばしの要素をスイングに組み込むことができるともっと飛ばせるようになる!

こんな感じでいいかな。。

ふー、忙しすぎてオチを残して3日間もこの記事を放置してしまった。。

もうちょっとちゃんと記事書くぞー!

次回はスイングビフォーアフターその6だか7を書きます!

お楽しみにー♪

たいき