最近、機能性甲状腺結節の患者さんを何人か診察したので、この病気について記事にしたいと思います。

 

 甲状腺の細胞は、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)の刺激を受けて、甲状腺ホルモンを産生します。甲状腺にできた結節性病変(しこり)が、TSHの刺激とは関係なくホルモンを産生するようになると、機能性結節と呼ばれます。要するに甲状腺にできたしこりが、好き勝手に甲状腺ホルモンを産生している状態です。

 

 好き勝手の度合いが軽ければほとんど症状は出ませんが、度が過ぎると明らかな甲状腺中毒症となって、脈が速くなったり汗が多くなったりします。

 

 この病気、いろいろな名称で呼ばれています。自律的にホルモンを産生しているので「自律性機能性甲状腺結節」と呼ばれることもありますし、ホルモンを産生している結節(しこり)が複数あると「中毒性多結節性甲状腺腫」と呼ばれます。また、この病気はPlummerさんが初めて報告したので「プランマー病」とも呼ばれますが、最近ではあまり使われなくなってきたようです。このような複数の名称も、本当は区別して使われるようなのですが、複雑で私もよく分かりませんので、一般の方はみんな同じようなものと考えて問題ないでしょう。

 

 どのようなときに機能性結節を疑うのか。甲状腺にしこりがあって、(潜在性も含め)甲状腺中毒症の状態の時です。もちろんバセドウ病と区別しなければならないので、TRAb(TSH受容体抗体)が高くないことを確認する必要があります。

 

 甲状腺にしこりがあって、甲状腺機能検査ではいつもTSHがやや低い。たいしたことはないから気にしなくていいですよと言われている。そんな方はもしかすると機能性結節かもしれません。

 

 機能性結節かどうかは甲状腺シンチグラムによって診断できます。SPECT/CTという装置を使うとよりはっきりと診断が可能です。

 ある特定の病気で治療中の18歳未満の患者さんに対し、医療費の助成制度があることをご存じでしょうか。

 

 簡単に言うと、この制度を利用することにより、窓口負担が2割になり、また所得に応じて月額の上限が決まり、それを超える分は負担しなくてよくなります。

 

 甲状腺疾患で対象となるのは、

 

・バセドウ病で薬物療法を受けている

・慢性甲状腺炎(橋本病)などで甲状腺ホルモン補充療法を受けている

・甲状腺がん

 

 などの場合です。

 

 バセドウ病や慢性甲状腺炎(橋本病)と診断されている小児の患者さんは結構いらっしゃると思いますが、診断されているだけでは助成の対象にはなりません内服薬による治療を受けていることが条件になります。

 

 負担金が減らせるというメリットはありますが、指定医療機関での診療に限られ、申請に必要な書類が結構たくさんあり、毎年申請しなければなりません。また、申請して初めて助成を受けられるようになるので、助成の対象疾患で通院中であったとしても、申請前の医療費に対してさかのぼって助成を受けることはできません。ですから助成を受けたい場合は、速やかに申請する必要があります。

 

 助成の対象になるかどうかは主治医、各自治体の担当者などとご相談ください。また、申請にかかった手間の割にはメリットが少ないというケースもあるかもしれませんので、よくご検討ください。

 

 詳細は「小児慢性特定疾病情報センター」のWebページをご覧ください。

 あけましておめでとうございます。

 

 当クリニックは本日から診療を開始いたしました。

 

 いつもは早起きで出勤なのですが、年末年始はゆっくり寝させていただきました。朝起きられるか心配でしたが、大丈夫でした。

 

 迅速で丁寧な診療を心がけてまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。

 本日で年内の診療は終了です。

 

 開院から8ヵ月、あっという間でした。開院1ヵ月前の4月のことを思い出します。準備がこんなにも大変だなんて思っていませんでした。食事もあまり摂ることができず、体重もだいぶ減りました(今では完全に戻りましたが)。

 

 朝早くから診療を行っているので、今の季節、出勤時間は真っ暗です。でもようやく朝早いのも慣れてきました。

 

 ちなみに、朝8時までに受診された患者さんには、医療費に早朝診療加算が上乗せされます。つまり余計に医療費がかかることになります。しかし当クリニックではいただいておりませんので、早朝診療もぜひご利用ください。

 

 来年も役に立つ情報発信に努めてまいります。甲状腺疾患でお悩みの方は、クリニックもぜひご利用ください。

 

 皆様よいお年をお迎えください。

 市販薬のパッケージや説明文に、「甲状腺の病気の方は主治医に相談してください」のようなことが書かれている場合があり、この薬を飲んでいいのかと聞かれることがあります。

 

 かぜ薬には、脈を速くする可能性のある成分が含まれている場合があります。バセドウ病などで甲状腺中毒症の状態だと、普段から脈が速いので、その影響を強く受けることがあります。成分を確認してから服用してください。もし心配なら、医療機関を受診して薬を処方してもらうのが確実です。

 

 胃薬の中には、一緒に服用すると甲状腺ホルモン剤の吸収が悪くなるものがあります。時間をあけて服用すれば大丈夫です。胃薬の多くは食後か寝る前服用だと思いますので、甲状腺ホルモン剤は起きた時に飲めば問題ないでしょう。

 

 かぜ薬などの市販薬は、数日程度の内服(常用していなければ)だと思いますので、実際に問題となることはほとんどありません。