手袋(薄いニトリルグローブ)が買えなくて困っています。以前は品薄で入手困難だったのですが、今は違う理由です。

 

 ある日、医薬品卸売会社に電話し、

 

「前回注文したのと同じ手袋を10箱お願いしたいのですが、在庫はありますか?」

 

と注文しました。前回は品薄で、注文しても2週間くらいかかっていたので、今回も品薄状態が続いていると思っていました。ところが今回は在庫はあるのだそうです。ただし、

 

「値段が以前よりも高くなってしまったのですが、大丈夫ですか?」

 

との返事。まあ、せいぜい2~3割増しくらいだろうから、それくらいは仕方ないかなと思い、

 

「大丈夫です。ちなみに1箱いくらですか?」と尋ねると、「だいたい以前の3倍くらいなのですが・・・」

 

って、3倍!!

 

 3割増しではありません。3倍です。これ、転売屋ではないですから。大手の医薬品卸売会社です。よく利用しているネット通販での価格もほぼ同等になっていました。こんな値段なら誰も買いません。在庫があるのも納得です。

 

 新型コロナウイルス拡大のため手袋の需要が高まっており、価格が高騰するのは分かりますが、それにしても高すぎます。でも手袋がないと話にならないので、仕方なく購入しています。以前のように大量に発注できないので、少しずつ買っています。

 

 そしてある日、段ボール2箱が届きました。送付元は東京都です。中には不織布マスクとニトリルグローブが入っており、診療にお役立てくださいとのことでした。昨年のマスク品薄の際にも東京都からマスクが送られて、大変助かりました。今回もありがたく使用させていただいています。

 甲状腺全摘術の合併症の一つに、副甲状腺機能低下症があります(以前書いた記事がいくつかありますので、「副甲状腺機能低下症」で検索してみてください)。

 

 甲状腺のすぐ近くにある副甲状腺が甲状腺とともに切除されてしまうと、副甲状腺ホルモンの分泌が低下し、血液中のカルシウムが低下してしまいます。血中カルシウムが低下する(低カルシウム血症)と、手足や顔などのしびれ感が出現します。症状がひどくなると手がこわばってしまい、箸が持てずに食事ができなかった、筆記用具が持てずに字をかけなかった、などという方もいます。

 

 低カルシウム血症の治療薬は活性型ビタミンD製剤とカルシウム薬です。活性型ビタミンD製剤はカルシムの吸収を良くする薬であり、カルシウム薬と併用することで血中カルシウムを改善する効果が高まります。

 

 活性型ビタミンD製剤にはいくつかの種類がありますが、「アルファカルシドール」が使われることが多いと思います。カルシウム製剤にも複数の種類がありますが、特に術後早期にはカルシウムの含有量が多い「乳酸カルシウム」が使われます。

 

 一過性の副甲状腺機能低下症であれば、いずれ薬は中止できますが、永続性の場合は薬をずっと飲まなくてはなりません。では活性型ビタミンD製剤とカルシウム薬の両方をずっと飲まなくてはならないのかというと、必ずしもそうではありません。多くの場合、活性型ビタミンD製剤のみでコントロールできます。

 

 術後早期から低カルシウム血症は起こるので、これらの薬は入院中に処方されます。低カルシウム血症によるしびれがなくても、症状出現防止のために出されることもあるようです。ときどき見かけるのが、術後何年たってもずっと薬を飲み続けている患者さんです。もちろん症状や血液検査の結果を見ながら内服中止を試みて、中止できないと判断されたのなら継続で問題ないのですが、一度も減らされることなくずっと処方され続けている場合があります。このような患者さんを診察したとき、私は積極的に内服量を減量していきます。まずはカルシウム薬の中止が目標です。中止してカルシウムが低下してしまうときは、活性型ビタミンD製剤を増量します。うまくカルシウム薬が中止できたら、その次は活性型ビタミンD製剤の減量、中止です。活性型ビタミンD製剤のみで調節できることが多く、完全に中止できることもありますので、一度も減量されたことがない方は相談してみてはいかがでしょうか。

 最近とても多いのが、

「私の病気は新型コロナウイルスのワクチンを接種しても大丈夫ですか?」

という質問です。

 

 定期的に通院中の方、5人に1人くらいから聞かれている印象です。通院中であるご高齢の方や医療従事者からの質問です。優先接種の上位なので、接種予定が近づいているのでしょう。

 

 甲状腺疾患の方のほとんどが接種を受けて問題ありません。

 

 注意が必要なのは、バセドウ病で治療を開始したばかりの方でしょう。薬の副作用である「無顆粒球症」は、発熱が初期症状であることが多いので、ワクチンの副反応と紛らわしい場合があります。主治医とよく相談の上、接種をご検討ください。

 

 亜急性甲状腺炎の場合、症状の一つに発熱があります。そもそも明らかに発熱している方は、(新型コロナウイルスに限らず)ワクチン接種はできませんので、病状が落ち着いてからの接種が望ましいでしょう。

 

 私はまだワクチン接種を受けていません。ようやく来週くらいから接種の予約が始まるとのことです。医療従事者の中でも、新型コロナウイルス感染症患者に接している方たちが最優先ですので、感染症患者にほぼ接することのない私たちの順位は低くなります。予約が始まっても予約サイトにはつながらず、また予約がいっぱいで、実際の接種は何カ月も先になるんじゃないかと思います。

 甲状腺機能異常症で内服治療が必要な場合、血液検査で甲状腺ホルモン値を見ながら、内服量を調節するのが普通です。

 

 バセドウ病などの甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモン産生を抑える薬を飲むことになります。甲状腺ホルモン値が改善すれば内服量の減量、悪化すれば増量してコントロールしていきます。

 

 甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモン剤による補充療法を行います。甲状腺機能が正常になるように内服量を調節しますが、安定してしまえば内服量の変更は不要なことがほとんどです(微調整は行うことがあります)。

 

 甲状腺ホルモン値が正常範囲から外れていたため、薬の増量を提案した際に、「こんなに薬が増えていって大丈夫なのか」と不安になる患者さんがいます。特に、甲状腺ホルモン補充療法中の患者さんに多いようです。というのは、補充療法の場合、少量から内服を開始して徐々に増やしていくやり方をするので、どんどん増えていくことに不安を感じるのだと思います。バセドウ病などで機能を抑制する場合、薬は多めの量から開始して徐々に減らしていきます。悪化すれば量を増やしますが、どんどん増やしていかなければならない患者さんはごく少数です。

 

 最初にも書きましたが、血液検査結果を見ながら内服量を調節しています。補充療法は文字通り、足りないホルモンの「補充」です。ホルモンの必要量は人によってそれぞれ異なりますが、ある程度上限が決まっていますので、永遠に増やし続けることはありません。過剰投与にならないように、甲状腺ホルモン値を確認しながら増やしていきます。ですから補充療法中の薬が増えることを心配する必要はありません。

 病気のお話はちょっとお休みにして、当院の予約制についての記事です。

 

 当院の診療は予約制です。予約を取っていなくても診療いたしますが、待ち時間が長くなってしまう可能性がありますので、事前に予約をお取りいただくようにお願いしています。

 

 当院では10分ごと(初診の方は20分ごと)に細かく区切って予約を入れるようにしています。多くの病院や診療所では、30分ごとに区切っているのではないでしょうか。しかし、30分の間に5人や10人の予約が入っているのが普通だと思います。そうなると、その30分の予約枠の中で一番早く来院された方が、最も早く診察を受けることができることになるでしょう。その結果、予約時間を無視して、早く来院される方が増えてしまいます。それってほとんど予約の意味がないでしょ、って私は以前から思っていました。

 

 そこで私のクリニックでは、予約枠を細かく区切って、原則として1枠に1人とすることにしました。ですから予約時間よりも早く来院する必要はありません。もちろん時間通りにピッタリ到着するのは難しいですから、多少前後することは全く問題ありません。予約時間よりも大幅に早く来院される方には、できるだけ時間通りにご来院いただくようにご案内しています。

 

 予約枠を細かく区切ることで、窓口の混雑を避け、検査・診察の待ち時間を短縮できます。今のところうまくいっているようですので、しばらくはこの予約枠でやっていこうと思います。私の個人的な考えですが、一つの予約枠にせいぜい2名くらいまでにしないと、予約の意味がない気がします。

 

 私は待つのが嫌いですが、人を待たせるのも嫌なのです。極力待ち時間がないように努力しています。