まき寿司 54
今日は仕事であった。場所は、山川町というとこ
ろである。いつものように中古住宅だが、快晴で、
しかも小春日和の温かで、車中は、さながらビニー
ルハウス状態で、読書にはいささか不向きなので
あるが、(なぜなら睡魔に襲われやすいので)、にも
かかわらず、読書に励んだのである。
読んだのは、著者吉本隆明、著書よせやい、であ
る。吉本の晩年の本で、若者数人と雑談をかわし、
それを本にしたものである。
吉本の晩年は、老齢で、書けなくなり、この形式の
本が多かったが、頭脳のほうは明晰で、この本からも
学ぶことが多かった。
一つは、老化すると、楽しい日が減少するが、残さ
れた日を思い煩うよりも、その日、その日を生きてゆ
くことに専念すべきだ、ということである。死のことをい
くら考えても、気分はすぐれない。また、死は別物、と
も書いていた。自分の死は経験できない。経験できる
のは、他人の死だけである。