門松 70
古池やかえる飛び込む水の音 尾崎 たか子
いやはや。と書いたものの、その後の言葉が見当たらず戸惑うば
かりである。
何も書くことがないので、上の俳句につき解説をしてみたい。
この俳句は名句ではない。あきらかに駄句である。
作者は、ぼくの近所に住むおばはんである。彼女は、親戚に俳句
をしている人がおり、その人の勧めである句会に入ったのであるが、
ごらんのように俳才は皆無である。にもかかわらず句会に提出した
のが上記の俳句である。
ご存知であろうが、上記の俳句は、言うまでもない俳聖松尾芭蕉
のパロディーであるが、本人はその自覚がなく、真面目な気持ちで
句会に提出されたものだ。
その日句会には、十名ほどの出席者がいたそうであるが、この句
が読まれた瞬間、場内が一瞬凍りついたようになり、しばらくして爆
笑になった。
本人は、なぜ笑われるのか合点がいかず、目を泳がしていたの
であるが、主催者が困惑したのか、これはちょっといけませんな。
古池の草に止まれるとんぼかな、なんてしたほうがいいのではー。
と言われ、件のおばはん、わたしの俳句がなくなってしまったと憤
慨し、句会を脱会したそうです。