_ 春と修羅 290
今日も雨ですね。ぼくは雨が嫌いじゃない。むしろ好
きだ。四季があるように、さまざまな天候があるのが楽し
い。晴れ、曇り、雨、雪、台風、雷と、みんなそれぞれ好
きだ。ただ一つの天候が長くつずくのは飽きてしまってい
やだ。
ぼくがこうして勝手なことを無責任に言っているが、職
業によれば雨が欲しかったり、晴れたほうがよかったりす
るのを望んでいる人々もいるだろう。もしかしたら台風さえ
待ちかねている職業のひともいるかもしれない。
今日も休もうかな、という気がしないわけではないが、毎
日休んでいるのもおかしなもんで、これが倦んでくるのだ。
人間はさまざまな欲望がある。お金が欲しい。名声が欲しい、
美味しいものが食べたい。綺麗な女と遊びたい。大きな家で
住みたい。しかしおかしなもので、欲望が満たされてくると飽
きてくる。お金は飽きるまい、と言う方がいるかもしれないが、
たしかにお金は巨大な幻想の塊ゆえ、飽くなき金欲を求めて
やまない独裁者が存することは確かだ。しかし、あれは独裁
者ゆえの恐怖心がしからしめるものだ。独裁者でないフツー
の人間は、生きるに必要だだけのお足があればよい。有り余
るお金は、むしろ危ない。お金でだめになる人もあるようだ。