_ 四字と熟語 195
はなはだ遺憾ながら、人間には飽きると言うことがあ
る。それはさながら倦むと言う表記を称することもある。
これが極めてやっかいなのである。
などて、われらヒューマンは森羅万象に飽きるのであ
ろうか。ぼくなんざー、毎日富士山を眺望できると満足を
得ることができうると、かねがね愚考するが、静岡や山梨
の住人は案外日常のなかに溶け込んで、ありがたみも希
薄かもしれない。
葉隠れを読んでいると、忍ぶ恋という文言に出会った。
これはいいえて妙である。おんなにも飽きる。ぼくの貧しい
経験であるが、美人と言える人は確かにいる。でも付き合
って楽しいのはわずかだ。すぐ飽きてしまうのだ。どうも結
婚という制度は、恋にはふさわしくないものらしい。綺麗だ
けでなく、それ以外に、たとえば尊崇するなにものかがない
と、恋も色あせてしまうものらしい。あんがい、恋愛で結ば
れたカップルが、破局にいたるのもこのへんのせいらしい。
愛ほどあやふやであいまいなものはない。さながらうたか
たのごとし。
まだまだ人間の飽きるに言及したかったが、紙数が尽
きた。つづきはあとのお楽しみ、になるかどうかは分からな
い。あらあらかしこ。