_ 幻視と政治 105
昨日は朝早くから電話を受けた。相手は5年前からのお
客さんだ。つい、思わずお客さんといってしまったが、こんな
やつは客に値しない。今までどれだけの家を見せたことか。
たしかに家というのは、人生で最も高価なかいものである。
したがって、簡単には決断できないのはぼくにもわかるが、
こんな優柔不断なやつは知らない。ある巨大な新興宗教の
信者らしいが、こんな奴も珍しい。他の営業なら相手にしな
い手間のかかる奴だ。
営業をしているとこう言う手合いがいるもんである。業界
で有名な夫婦がいる。老人だが、まず電話があり車に乗れ
ないので迎えに来てくれと言う。お客様だと思って、迎えに行
き案内すると、誉めそやし、あたかも買うがごとくの言辞をは
く。勿論、帰りも送っていくのであるが、必ずスーパーに寄っ
てくれと懇願する。要するに買い物のタクシーの代わりに利
用するのである。そして絶対買わない。この夫婦は業界で有
名人である。