_幻視と政治 103
仕事があるということは、毎月なにがしかの収入がある
というのみならず、生活のリズムが生まれるのが得がたい。
そうでなければ、さて毎日何をするかに思案せねばならぬ、
それでも思案の結果が得られれば良いが、難しいに違いな
い。毎日無聊を慰めることになるだろう。
いずれ、やがて精神的にも肉体的にも仕事をすることが
ままにならなくなることであろう。それはぼくにとっては恐怖で
ある。ぼくはどういうわけかは知らねども家内では読書ができ
ない性格なのだ。これが実にこまる。これからは将来にそなえ
てじわじわ家で読書ができるようにせねばなるまい。そうしな
いと、仕事を失うと家でごろごろして家人に粗大ごみあつかい
を受けるおそれがたぶんにある。我が家で気を使わねばなら
ぬとは地獄である。
ぼくは一年で休みという日がほとんどない。休もうとすれば
日曜以外いつでも休めるのであるが、ぼくとしては休みを欲し
ない。なぜなら家では読書ができないからだ。ぼくには欲がほ
とんど喪失してしまった。残された唯一の欲望が読書欲のみ
である。とほほー