たまちゃん 13
コミニケーションって難しいよね。はじめからやり
込めようと喧嘩腰に会話を始めても、相手にもつた
わるから会話が進行しなよね。個性も能力も違う人
どうしが会話をするのだから、相手の事をお互いに
気使いながら言葉をキヤッチボールしないと、とん
でもない暴投をしでかして、あいてを呆れさせてしま
うことになってしまう。
対談の名人て、ぼくのしってる限りでは吉行淳之介
だと思うけど、相手に媚びらず、見はなさず、相手の
いいところを引き出し、しかも自分の個性を妥協しな
い名人技である。思えば、対談というのは、相手が男
女を問わず、異性を口説くことにさも似たり。聞き上手
相手の会話は、喋っているほうも喋りやすく、そして楽
しい。ましてや、女性ならば、相手は文壇きってのモテ
男吉行淳之介である。
ぼくは向田邦子のファンである。彼女の書いたものの
ファンであるのはもとより、女性としての向田邦子が好
きである。彼女は随分年は上であるが、そいて、勿論
会ったことはない。彼女のなかにぼくは存在しない。
ある時、吉行淳之介と向田邦子の対談を読んだ。吉
行はいつものごとくであったが、向田がなにやら不思議
な、謎めいた自己を演じていたようにぼくには思えた。
向田邦子は吉行淳之介が好きなんだ、と思った。勿論、
これはぼくの嫉妬からでた妄想である。