隅田川 11
昨日は、徳島は雨でした。お昼は岸岡のラーメンと、
かねてよりきめていたものですから、やおら車を目標に
ころがしました。やがて岸岡につきましたので車は路上
駐車にします。暖簾をかきわけ店内に入り、化粧の濃い
別嬪のおねえさんに注文した。
現在の徳島のラーメンは、以前全国のラーメン店をテレ
ビで放映したとき、いみじくも徳島ラーメンをすき焼きラー
メンと形容されたような、油濃いぎとぎとラーメンが主流で
すが、岸岡のラーメンは、ぼくが子供のころに親しんだ透
明の醤油で、しかも麺はストレートの細麺です。このコンビ
ネーションが岸岡の特徴です。
注文をしてラーメンが食えるまでに5分ばかりかかる。こ
の時間の潰し方に工夫がいる。ぼんやりメニュー表を眺め
てもつまらない。だからつい週刊誌をとるのだが、この週刊
誌が問題なのだ。誌名は伏せるが全部成人むけなのであ
る。八割がおおむねSで後の記事はヤクザの話題なのだ。
ぼくはこーいう傾向の雑誌が嫌いではない。しかし、時と場
合による。食欲を満たそうとしている時に、性欲を刺激され
ると食欲が削がれる気がしないでもない。だからぼくはなる
べくヤクザの記事を読むのであるが、ページをめくる時に、
不本意だがどうしてもエゲツナイグラビヤが目に留まる。
そんな時に限っておねえさんが「おまたせ~」と、ふいに
背後から声がかかり顔をあげると、おねえさんの目が、あ
きらかにぼくの手にした週刊誌のグラビヤにそそがれてい
たりすることある。おねえさんがぼくの事を誤解しているの
ではと思いながら食べるラーメンの味はあきらに不味い。
食欲は食欲、性欲は性欲と判然と区別したなかでそれぞ
れを楽しみたいものだ。