独り言   5月30日 | はなのブログ

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        隅田川    10

 足利義満が北山殿に執念をこめて造った金パクの舎利

殿は、一時間たらずで灰に化した。昭和25年7月2日早

暁。新聞は、一面トップに大見出しで伝えた。

 はじめて金閣寺と対峙したとき、三島のことを思った。金

寺は三島さんなんだ。三島さんは死んで金閣寺になっ

んだ。そんな想念が頭をよぎった。

 金閣は22金の光りもまばゆくよみがえった。昭和30年

秋。

「京都の人はたいへん恥ずかしがるんですけどね、ぼくな

か、いいと思うんです。金ピカで、ちょっと夕日があたっ

たりすると、目を射るような」---金閣寺を書き上げた

と、三島は語っている。

 駅の改札口を抜けるように旅行客の列が続く。修学旅

生、外人観光客。地方の団体客ー。

「これが金閣、ふ~ん」

 無感動な一瞥も、あこがれや驚きもよせつけず、そこだ

間が止まったまま金閣寺はありつづけている。

 三島さんは金閣に生まれ変わり満足しているのだろう

か。ると金閣の方角から、例の高笑いが聞こえてきた

ではないか。

 わっははは、わっはっはは。