独り言    5月28日 | はなのブログ

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          隅田川    8

 東大谷。親鸞聖人の遺骨を安置した祖廟をもつ。東山

の山ふところにだかれた閑静な場所だ。円山公園の東南

にあたるけれど、公園のざわめきはここには遠い。いかに

も先祖の霊を眠らしめるにふさわしい。ことさらに陰影に富

むわけではなく、明るく透明すぎるわけでもない。

 八坂神社の南門をくぐると。すぐに東大谷の参道である。

高速道路なみの広々とした道は、石だたみの整然としたす

がすがしさだ。その左右に植わった、クス、イチョウ、ケヤキ

の枝が参道のなかばまで張り出して、緑のトンネルをつく

る。かすかに、緑がにおう。あくまでゆっくりと、正面の唐門

に目をやりながら、登っていく。

 唐門をくぐって寺内にはいる。茶所の前に群れているハト。

散り残った紅葉が、秋日の日ざしに映えて光る。静かな午

だ。本堂から低く読経の声が流れる。安らいだ穏やかな

が、さして広くはない境内に満ちている。

 鐘楼のわきに祖廟の拝門にいたる石段が伸びている。し

とりとした情趣にどこか西洋風のにおいがないでもない。

が、いかにも日本的なやわらかい陰影とないまぜにさ

て、しい。出しゃばらない美しさである。