祇園と干し柿 19
図書館は大好きな空間である。本が沢山あるのみなら
ず、行くたびに新しい本が増えている、この変化がいいの
だ。沢山の本に囲まれてる幸福と、あらたなる本との出会
い、この二つがあるがゆえに幸福感が増幅するのてある。
人との出会いもそうだが、本との出会いによって、ぼく自
身が変化してゆく楽しみがたまらないのである。と、同時
に、今のぼくが思いもかけないようなぼくになってしまう可
能性もある。しかし、ごりごりの偏執には成りたくない。寛
容の精神と食わず嫌いに気をつけていきたい。どんな方
面の思考が明日の問題を解く鍵になるかもしれないから。
人間とは、ある種偏見の塊である。その定理からぼく自
身免れないのは知っているつもりなのであるが、時として
それを忘れているぼく自身を発見し、愕然としてしまうこと
もある。したがって、ある種の偏った傾向の本ばかりを読
むのではなく、それと対局の思考法の本も読まねばと思い
実行をしている。福田恒存。江藤淳、西部萬、そして最近
読み始めた宮崎正弘などは読んでて勉強になる。テレビ
やマスコミを発言の場としている人は基本的に避けている
つもりだが、前記の四氏は無条件に読んでいる。
カウンターカルチャーの効用は、ぼくの思い込みを是正
することができるので、欠くべからざるそんざいである。と
もあれ人間の認識は曖昧模糊としたるもので、一つの考
え方で世界を認識しようとしても平面の世界しかつかめな
いであろう。しかるがゆえに、立体の世界を手に入れるた
めには複雑な認識の作業が必要なのではないか。