祇園と干し柿 9
地球のうえに朝が来た、その裏側は夜だろう。なんて
シュールな歌を歌ったのは川田晴久というひとであった
が、おそらくみなさんはご存じあるまい。美空ひばりのゆ
かりのある芸人であるが、知らなくても何ら不都合のある
ことではありません。
今朝もあいかわらず寒さが厳しいです。布団も掛布団
一枚でははなはだ心細いありさまでもう一枚奢ってみた
い心境になるのは致し方がなく、これはわがままとは違
うように考えます。我慢にもほどがありまして、やせ我慢
もときによりけりです。こんな時にはすなおに妻に布団を
もう一枚を断固要求するべきです。妻の機嫌がよろしく
なき場合は、家のまわりをうろうろしている野良猫をとっ
かまえて抱いて寝るのも一時しのぎにはなりますが、ノラ
が素直に協力してくれればいいのですが、さもないとあっ
ちこっちひっかかれてきずだらけになる恐れもありますの
で、安直にはおすすめできません。やはり妻の機嫌をうか
がって布団一枚をねだっみるのが最良の選択だと心から
おもいますが、ゆめゆめ野良猫のかわりに妻を抱いて寝
るなどという悪夢を選んではいけません。さすればノラ以上
被害をこうむるでしよう。たんに肉体の被害のみならず、さ
らに心の損害が大きいと思われます。役立たず、とか臭い
とか、あげくに垂乳根のわが親の悪態をあれこれ聞かされ
て、安眠はおろか、いびきをかきだすと鼻をねじりあげられ
ます。やはり己がひざでもいだいて眠るのが天国かもしれま
せん。ではいざ、仕事へ。