独り言   2月10日 | はなのブログ

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      流転と啓示   20

 当時の学者達は、原因と結果は常に一方通行、つ

まり原因→結果であるべきで、相互に影響を与え合う

循環論、原因→結果・結果→原因など学説として認め

る訳にはいかないと考えたのだ。マルクスの循環論が

正しいと証明したのはサムエルソンと、労働価値説を

数学的に証明した森嶋通夫である。

 今、経済学の世界でマルクスを語る人は皆無に近

い。だが、マルクスが後世に遺した思想、業績は現在

の経済社会を見つめ、問題の真髄を探る上で多くの

示唆を与えて呉れる。

 マックス・ヴェーバーは資本主義を歴史的、根本的

に研究・分析するという大仕事を成し遂げた人物であ

る。資本主義の萌芽に決定的に不足していたもの、

必要不可欠なもの。それは資本主義の精神である、

とヴェーバーは指摘する。では資本主義の精神とは

何か。それは、①労働そのものを目的とし、救済の手

段として尊重する精神、②目的合理的な精神、③利

子・利潤を倫理的に正当化する精神、である。労働そ

のものを目的とし、救済の手段として尊重する精神と

は、つまり報酬や昇進のために働いているのではな

い、という事である。働く事自体に価値を見出し、喜び

を感じる精神。自らの職業を天職と捉え、行動的禁欲

を以て労働に邁進し伝統主義を打ち破ろうとする精神

こそが近代資本主義の形成には不可欠だった。つづく